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11話 辺境の街 フロンダ

街が近づくにつれて外壁と門が見えてきた。門は開いており、中の人通りは少ないようだ。門の横には、鎧を来た兵士が座っている。30代ぐらいだろうか。初めての異世界人、第一印象に気をつけながら話しかけてみよう。


「すみません、街に入りたいのですが・・・」


「坊主一人か?身分証は?」


予想はしていたが、街に入るために、やはり身分証が必要なのか。もちろん身分証など持っていない。しかし、1年もの時間があったのでこのパターンは想定済みだ。


「持っていません。じいさんと2人で森の方で暮らしていたけど、この前、亡くなっちゃって・・・


ひとりで森では生きていけないので、生前にじいさんから聞いていた街に降りてきました。


お金もないので、ラビットの肉を売って生計を立てようと思っています。」


そう伝え、アイテムボックスからラビットの生肉を取り出す。


「そんな事情があったのか。あれ?生肉をそのまま持ってきたのか?道中、魔物に襲われなかったか?血の匂いでよってくるから袋に入れて持ち歩けよ。危ないぞ。」


あぁ、失敗した。アイテムボックスは異世界小説では定番だが、地元人にとっては珍しいという可能性を失念していた。もし珍しい場合、誘拐されたり、組織に囲われたりして大変な思いをすることになる。一人で生活しすぎて、この世界の『普通』が何なのかを考えられていなかった。危ない。


「そうなんですね。次からは気をつけます」


 「素直でよろしい。俺の名前はドナート。これも何かの縁だ。肉を売って身分証を作りに行くか。一緒についていってやるよ。そろそろ交代の時間だから、その辺で少し待ってろよ」


「ありがとうございます。よろしくお願いします」


ありがたい申し出だ。お礼をいい、門から少し離れた場所に移動する。初の異世界人は感じのいい人だった。幸先が良さそうだ。


しばらくすると、ドナートさんが声をかけてくれた。


「おーい、坊主、またせたな。交代の時間になったから、今から行くぞ」


ドナートさんに呼ばれ、いっしょに門の中へと進んでいく。外壁の中は、平屋の家が多く、ところどころ2階建ての家があり、街道はまばらに人が歩いていた。置いて行かれないように気をつけながら、ドナートさんの横を歩いていった。


「そういえば坊主、名前は?」


「スグルと言います」


「年は?」


「13歳です」


「まだまだ子供なのに、大変だったな。」


「いえいえ。そういえば、この街はなんていうんですか?」


「ここは辺境の街フロンダだ。近くに森があっただろ?あそこでとれる素材が売りの街だな。」


辺境の街フロンダ。東には広大な森があり、森の中には数多くの魔物がいるらしい(実際にいた)。私がいた小屋もこの森の中にある。結構な距離があったので、まだ見つかっていないと思う。


さて、この街ではどんな出来事が起こるか楽しみだ。1年ぶりに人と接するので、何かしら粗相しないか心配だ。変な人に目をつけられないように気をつけよう。


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