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憂鬱の民(短編集)  作者: 紀ノ貴 ユウア
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8.自己愛

 病みです。

 ずっと見てるよ。君のことは、なんでも知ってるんだ。


 知ってるわ。君がずっと、私を見ていること。




 こいつは誰だ?私以外に、君の傍にいる人間はいらないよね?


 職場の人と関わることは仕方ないでしょ。仕事に差し障るから、勝手にメアドを消さないで。




 大好きな君を、他の誰の目にも映させたくないんだ。分かってくれるよね?

 仕事でも家事でも、私が全てやっておくから、君は中にいて。


 私だって、君を独り占めしていたい。でも、全く外に出ないで生きることはできない。

 …君も分かってるでしょ?




 かわいいね、愛してる。ずっとずっと、一緒だよ。


 君がくれる愛は、いつも私を救うの。きっと正しくないけど、間違いとも言えないの。




 医者が、君は今まで十分に愛されなかったからそうなってしまったんだと言った。


 せめて自分だけは愛してやれだなんて…だから君がいるのにね。




 死んでいったあの人は、かわいそうだと私に言った。なぜだ?“かわいそう”なのはお前だろ。


 死ななきゃ一緒になれないだなんて。私たちは“幸せ”ね。そうでしょう?




 ―――この心は変わらない。変えられない。ただ傍にいて。


 ―――離れることも触れることもできない、愛だけど。

 私たちは二人で一つ。永遠にね。

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