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憂鬱の民(短編集)  作者: 紀ノ貴 ユウア
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7.明日

 鬱です。

 また、「今日」が終わる。

 「今日」も、何もできなかった。何も変えられなかった。


 恐怖も不安も不幸も絶望も混ざり合って、気持ちが悪い。

 一体、何度自分を憎めばいいんだろう。


 でも、「今」だけはどうでもいい。

 だって、夕方は唯一マシな時間。たった数十分、数時間の間だけ、何もかも諦めがつく。

 夜は怖い。思うようにいかなかった「今日」を後悔して、また「明日」が来ることを不安に思う。

 朝も怖い。また「今日」が始まることに絶望しながら、無常な「今日」に必死にしがみつく。


 ああ、吐きそうだ。ああ、泣きそうだ。

 空っぽのはずの胸が何かに押しつぶされているこの感覚。きっと自分は、この世界で溺れている。


 自分を愛すことはない。今までも、これからも。


 それでもまだ、自分はどこかで思ってる。どこかに幸せがあるって思ってる。

 いつか救われること、それだけを願ってまだ生き続けている。



 ―――「今日」は、「昨日」の、「明るくなってほしい日」

 生きているのは、死にたいわけじゃないから?

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