4.懺悔(ざんげ)
鬱です。お気をつけて。
神よ、私は罪人です。死刑を待つ、大罪人です。
罪を作りたくはなかったのですが…どうも背負ってしまったようです。
処刑を待つ間だけ、私の罪をどうか聞いてくれませんか?
私は、ごくごく普通の一般家庭に生まれました。両親ときょうだいがいて、家族仲も良好でした。
何もかも平凡でした。ただ一つ、私を除いて。
もちろん私も、昔は普通の子だったんですよ。遊ぶのが楽しくて、好きな子がいて、成りたいものも欲しい物もあって…。“これ”がいつからなんて、明確な時期は覚えていません。
…ただ悲しい。ただただ苦しい。私の中がすっかり空っぽで、それでいて何か重いものに押しつぶされているようで辛い。
この闇にいつまで浸っていれば赦されるのか、“その時”が待ち遠しくてたまらない。だけど、希望を見つけるのも、落とし穴のようで手が伸ばせない。
明るい時間が憎い。暗い時間が怖い。枯渇を抜け出そうと、かつて好きだったことを再び始めても満たされず、何かに夢中になろうと、心動かされるものに浸ろうとしても謎の焦燥感ばかり湧く。
…疲れました。ええ、本当にどうでも良くって。他人の幸も不幸も、私には関係ない。
安心できる誰かに、傍にいて欲しかったけど、そんな存在に会えなかったのは、全部…私が生まれた罰ですね。
ああ、騒がしくなってきました。そろそろ時間のようです。それでは―――
―――さようなら、皆さん。次は間違っても生まれることがないように、どうか祈ってくださいな。
罪人だから、罰を受けるんでしょう?
苦しいのはきっと、生まれた罪か生きている罪のせいなんだ。