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憂鬱の民[エッセイ・小説短編集]  作者: 紀ノ貴 ユウア
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34.警告と助言

 タイトル通り。

 ………辛そうだね。

 現在進行形でこの世の全ての(つら)さを味わっているあなたに、ほんの少し、わたしから警告と助言をしよう。



 人は急には変われない。

 それも、苦しみの中にある人は特に。

 時間をかけて辿(たど)り着け。最初はただ息をするだけでいい。死んでるのか生きてるのか分からない状態であろうとも、ただ魂を肉体に(しば)り付けてさえいればいい。


 (こく)なことを言うが、誰かが助けてくれると期待するな。だが、誰かが支えてくれることは確かだ。

 確かな救いの手は差し伸べられないが、透明な支えが、あなたの背をそっと、ほんの数秒だけ押すだろう。

 支えは何も、身近にあるものだけではない。むしろ、遠くだったり、不確かな場所にあったりするかもしれない。

 だが、がむしゃらに、揺蕩(たゆた)うように息をし続けたその先で、あなたはいつか、あれは支えだったのだと分かる日が来るだろう。


 あきらめるな、だが、あきらめろ。これが矛盾(むじゅん)する言葉であるということは、わたしも分かってる。矛盾(むじゅん)するが、でも確かにそう言い表すしかないんだ。

 本当に、日々をただ過ごしていればいい。無駄に時間を消費しているだけでいい。いつか、その消費は必要だったと理解できる日が来る。

 あなたには「明日」がある。「明るくなって欲しい日」が来る。そして「明るい日」が来る。

 大丈夫だ。安心しなくてもいいから、不安に押しつぶされることだけはやめておいた方が良い。

 今はまだ、生きているか死んでいるか分からなくてもいい。そんな経験があれば、いつか、あなたは「生きていること」を誰よりも実感できる。



 大丈夫だ。だからどうか、わたしの言葉を、信じてくれ―――。

 憂鬱の民よ、救われろ。

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