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憂鬱の民(短編集)  作者: 紀ノ貴 ユウア
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2.投獄

 鬱かな。

 ああ、私をそんな所に閉じ込めないで。狭い所は嫌いなの。


 一色なんてつまらないわ。赤もピンクも、青も白も、黒だって素敵よ。時々忌まわしいものもあるかもしれないけど、そんな時は透明に限るわ。


 混ざり合ってごちゃごちゃしているのは、少し苦手。私が片付けてあげようか?


 自由はお好き?でもね、本当の自由なんて誰も持つことはできないの。一つの「自由」を選ぶ時、他の「自由」たちは失われる。


 自分で作れないものは、壊すこともできないものよ。ご存じ?


 美しさだけを望んでも、手に入れるのは難しいの。最初は無理でも、後から作り上げればいいわ。本当の美しさとは何かを知っているなら…ね。


 あれがほしい、これがほしいって…。他人のものはそう簡単に得られるものじゃないと、思い知るがいいわ。


 言ったでしょ?私はそんなもの要らないって。


 物好きねぇ。そんな風に思うなんて。私は別にどうでもいいわ。あなたが私を知りたがろうと、私にはあなたは関係ないもの。



 私の名前?私が呼ばれている(もの)、それを知りたいと言うのね?

 いいわ、それくらい。私たちに名なんてないし、後から勝手に付けられるけれど。どうせ、私たちを指すものとしては事実だもの。

 私の呼称(なまえ)は―――



「あれがほしい!あれだよ、あれ!ずっとほしかったの!」

「あなたはすばらしい子よ!」



 カラフルで狭い、


 その牢獄(こころ)に、


 どうか私を閉じ込めないで。

 子供の頃、よく遊んだ?


 それとも


 今、遊ばれてる?

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