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矢野口光①

 私は知っていた。


 佐井君に彼女がいないことを。彼女だと思われていた人物が佐井君の二個上のお姉さんだということを。


 私は佐井君と同じ中学校を出ている。それは佐井君のお姉さんとも同じ中学通っていたということだ。


 周りのみんなは勘違いをしていたようだけれど、私は真実を伝えなかった。そもそもみんなが私の言葉を信じるとは思わないけど。


 私だけが知っていればいいと思っていた。みんなは勘違いしたままでよかった。


 しかしひょんなことで事実が明るみに出てしまった。佐井君の事だし、佐井君自身が語ったのなら何の文句もない。


 だけどなぜだろう。さみしい。


 私だけが知っていたかった。私だけが知っているということが私の誰にも言えない自慢だった。


 なんだかさみしい。


 佐井君が私から離れていくようで。別に私の元にいたわけでもないけど。


 だって、私にとって佐井君は……。

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