平尾香苗④
今日のホームルームは次のレクのペア作り。
すごい嫌だ。
何を意味するのだろう。
もう学校側で勝手に決めてもらった方が文句も言えるし、言いながらも従うしかない。
それに男子が色めきだっているのもなんだか不快だ。
ここから何かが発展するとかないから。
上田と南、特にお前らにはないから。
「とにかく俺に彼女はいない」
男子たちの話しは聞く気がなかったから特に何を話していたかは知らないけど、佐井君に彼女がいないことだけはわかった。
「ちょ、ちょっと、男子だけで盛り上がってないで話進めてよ」
麻衣が勢いよく言った。
うん。たしかに麻衣の言う通り。男子うるさい。
それに麻衣は前々から佐井君を狙っていたようだし、この状況は麻衣にとっては好都合だろう。
「それじゃあペアの続きをします」
学級委員の愛が仕切りなおす。
「ペアの希望はありますか?」
私、男子の友達いないんだよな。佐井君以外。
同じ趣味だし、そういう理由で佐井君だったらいいな。
まあ、趣味つながりでね。
一応希望はしておこうか。
別に恋愛なんて感じじゃなくて、友達だし。
まあとりあえず、手を挙げておこう。