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貫き通せ我が騎士道  作者: 神木ユウ
第1章 大地国ガイア
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第41話 閑話:復興の一幕

閑話3話連続投稿2話目です。

 襲撃から1週間が経った。俺はエイミーと共に、街の復興の手伝いをしている。


「兄ちゃん! その木材はこっちだ!」


「エイミーちゃん、今日のお昼は串焼きの予定だから、この食材を持っていってちょうだい」


「ユーリ! 手が空いたらこっち来てくれ!」


「エイミーちゃん、ごめんね。この子迷子みたいなの。お母さん探すの手伝ってあげてくれる?」


「兄ちゃん!」


「エイミーちゃん」







「ああ……。なかなか疲れるな……。体力的には問題ないんだが、あっちこっち呼ばれると精神的に疲れる」


「兄さん、あれで体力的に問題ないのは人間としてどうかと思うッス……。はい、これ、兄さんの分ッス」


「おお、サンキュー。串焼きか。肉と野菜がバランス良く摂れて美味くて、良いよな」


『わたしを使えば荷物運びなんて一瞬じゃないですか』


(そりゃそうだが、誰が見ているかわからないときに流石に使えんだろ。お前を火種に新しい事件が発生なんて勘弁だぞ、俺は)


『……役に立たない』


『はぁ!? リィンだって何にも使えないじゃないですか! 事情があって使えないだけで使い道はあるわたしの方が役に立ちますぅ!』


『……適材適所。……使われるべき場面で使われない方が問題』


『きぃーー!!』


(やかましい! 人の頭の中で喧嘩すんな!)


『……やかましいのはフィーだけ』


『誰のせいだと……!』


(わかったわかった! お前が役に立つのは俺が一番知ってるから静かにしてろ!)


 まったく。たまに喧嘩すんだよな……。まあ戦闘の邪魔をしたことは一度もないし、弁えてはいるんだろうが。

 拡張袋に入れれば良いと思われるかもしれないが、実際はなかなかそうはいかない。

 単純に長すぎて袋から出る場合があるからだ。重さは大丈夫でも、長さも制限があるんだよな。袋から飛び出た状態を長く維持していると、袋が壊れることもあるし、なかなか上手くはいかないもんだ。


「おーい、そろそろ午後の作業を開始するぞーー!」


「あ、はーい! わかりましたー!」


 さて、午後からも頑張ろう。








 その日の作業が終わり、晩飯の時間だ。


「兄さん、ほら鍋ッスよ! 辛めの味付けで元気が出てくるッスね!」


「ああ、美味い。疲れた精神に染み渡るな……」


 豆腐に味が染み込んでめちゃくちゃ美味い。熱いがそれもまた良いところだ。熱い食べ物の方が何となくほっとするよな。


「だから何で一日中作業していて、疲れるのが体じゃなくて精神なんスか……」


「慣れろ。俺はそういうもんなんだ」


「いや、まあ知ってますけど……」


「お前はどうだ? 疲れてないか?」


「疲れてはいるッスよ。でも力仕事してる皆さんの前で疲れたなんて言えるほど度胸極まってないッス。あたしがやってるのは細々した雑用だけッスからね」


「エイミーちゃんは器用だからいてくれると助かるわぁっておばさんたちが言ってたぞ」


「そうッスか? ありがたいことッスね。あ、気をつけるッスよ。おばさんって言うと怖い人もいるッス……」


 何か表情に影が……。怖い目に会ったんだろうか……。


「そ、そうか……。気をつける……」


「力仕事はできないんで助かると言えば助かるんスけど、どうも子ども扱いされてる気がするんスよねぇ……」


「しょうがないだろ、お前見た目12歳くらいなんだから」


「あたしは子供じゃないッス!」


「はいはい、大人大人」


 まだそんなに長い間一緒にいる訳ではないのに、いつものやりとりって感じがする。これもまた、安心するな。



 思えばエイミーを旅に連れ出して最初からこんな辛い事件に遭遇させてしまった。旅が嫌になったりはしていないだろうか。


「悪かったな。いきなりこんな大事件に巻き込んで」


「へ……?」


「旅を楽しみにしてたのに、最初がこんなんでさ。もしかして嫌になったりとか……」


「……次はどんなところッスかね」


「え?」


「次の旅の行き先ッス。見たことない光景がたくさん見られるんだろうなって思うと楽しみッスね!」


「……そうか」


「そうッス!」


 次はどうしようか。そろそろ他国を目指しても良いかもしれない。

 行くとしたら火炎国バーンか流水国アクアか。何となくアクアかな。砂漠は1回行ったし、別のところに行きたい気分かもしれない。

 確かアクアとガイアの間には雪山があるんだったか。厳しい環境であることに変わりはないな。きれいな景色も見られるかもしれないが。


「行き先に希望はあるか?」


「兄さんと一緒ならどこでも!」


「ふっ。甘えんぼめ」


「兄さんが寂しいかと思って一緒にいてあげるんスよー」


「そうかい。ありがとな」


「いえいえ。もっと感謝すると良いッス」


「調子に乗るな。ほれほれ」


「あーー! 髪がぐっちゃぐちゃッス! これでも一応櫛を通すくらいはして整えてるんスから、止めるッスーー!」


 良い妹を持ったものだ。エイミーの悲鳴を聞きながら、しみじみとそう思った。


「止めるッスーーー!!」

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