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DEAR MILLENIA~ディア・ミレニア~  作者: 風雲 香月
~神聖ザカルデウィス帝国 旅禍篇~
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~神聖ザカルデウィス帝国前編~ 計画

次話更新、お待たせいたしました。ディア・ミレニア、お楽しみください!

 改めて見ると、色々と驚かされる都市である。神聖ザカルデウィス帝国、光都エリュシオン。まさに光が溢れる都市である。輸送機と思われる小型の戦艦と竜が空を行き交い、地上では車が横行し、その治安は一見すると平穏そのものであった。ゲンドラシルは、ゼイフォゾンとアルティスを案内した。神聖ザカルデウィス帝国の人間はゼイフォゾンの姿を見た瞬間、騒ぎ出した。一振りの剣の復活は神聖ザカルデウィス帝国にも広まっており、その力、その姿は伝聞されていた。このゼイフォゾンという存在は世界でもかなり重要視されており、神聖ザカルデウィス帝国の人間からはこう呼ばれていた。至恩の神…と。ゼイフォゾンは、帝王ゴーデリウス一世の課した過酷な修行により、ある事が可能となっていた。それは神術である。神術とは、魔術の到達点の一種である。読んで字のごとく、神族でなければ行使できない魔術で、この世界では七英雄しか扱えない強大無辺の力である。この神術には段階があり、上級神術、窮極神術と上がある。帝王ゴーデリウス一世は七英雄最強を自負する者であり、それを証拠に上級神術と窮極神術を網羅している。七英雄とは、それぞれ固有の能力を持っており、それとは別に神術を扱える。魔術とは根本的に規模が違うので、人類、魔族、竜、そのどれもが神術の前では赤子同然になる。七英雄とは、あらゆる種族を遠く突き放す超越者であり、ゼイフォゾンはその力を自在に扱えるまでになっていた。それも、帝王ゴーデリウス一世は、ゼイフォゾンにあらゆる神術を授けたので、ゼイフォゾンは上級神術と窮極神術を網羅していた。七英雄の中でも上級神術と窮極神術を操れるのは帝王ゴーデリウス一世のみである。だからこそ、七英雄最強の称号と古代文明覇者という肩書を持っていた。ゼイフォゾンは己の剣の力のみならず、あらゆる部分で万能となっていた。ゲンドラシルは、このゼイフォゾンという存在の強大さをひしひしと感じていた。アルティスは、ガトランが死んでからゼイフォゾンが更なる力を求めるようになったのではないかと思っていた。今のゼイフォゾンはそのままでも強力だが、それを凌駕しようとしていないか、この男はただ力に憑りつかれていないか。だが、ゼイフォゾンはいつまでも冷静だった。恐ろしいほどの冷静さで、光都エリュシオンを歩いていた。アルティスは大きな欠伸をしていた。ゲンドラシルは、光都エリュシオンの酒場に案内した。リンドバーグと書いてあるその酒場は賑わっていた。周囲には竜が待機する専用の広場が存在し、車を停める場所も確保されていた。酒場で席に座ったゲンドラシルは、ゼイフォゾンとアルティスにも席に座るように促し、二人はそれに従った。


 ゲンドラシルが三人分の酒を店員に頼んだ。ゼイフォゾンは酒は飲んでも酔えないと言ったのだが、ゲンドラシルはここで出会ったのも何かの縁だと言って、好意で頼んでいた。アルティスは酒が飲める事に関しては大歓迎であった。神聖ザカルデウィス帝国の人間たちは、至って平和であった。侵攻と統一に狂っているようには見えなかった。皇国レミアムと何が違うのか、技術力と環境ぐらいであろうか。それ以外に何か言えるかというと、それは違った。何も違いはない、ただ生活して、営んでいるだけの普遍的な国である。鎖国しているからといって、外界と強制的に隔絶されているようには見えなかった。神聖ザカルデウィス帝国の人間は当然、皇国レミアムとも、エギュレイェル公国とも外交を続けていた。そこに嘘偽りはなかった。この国を良くしようという姿勢がいたるところに垣間見えた。ドグマ大陸の人間には、神聖ザカルデウィス帝国の人間は残虐で容赦のない国民しかいないと思われていたが、そんな事はなかった。皆、普遍的だった。それだけ分かれば、ゼイフォゾンとアルティスのには充分であった。リンドバーグの店主は、もともとドラゴンナイトだった経歴を持つ凄腕で、ギルドを兼任していた。仕事の斡旋するのはどこの国の酒場も一緒らしい。ゲンドラシルは酔っている様子はなかった。どうやらエギュレイェル公国産の強いワインを飲んでも平気らしい。サリエッタのような酒豪なのであろう。酒場では、三人は目立っていた。神聖ザカルデウィス帝国の人間はこの真紅の鎧を纏っているのは将軍だと分かったし、アルティスは派手な武芸者といった格好で、ゼイフォゾンは一振りの剣だと認識されていた。皇国レミアムは、ドグマ大陸はインペリウス大陸の侵略に勝った。この一振りの剣の活躍によって。それにはミカエラが必要だったが。それも含めて、皇国レミアムとはどれだけ強大な戦力を保有しているかが理解できた。将軍アイゼンの敗北は、インペリウス大陸中に知れ渡っていた。一振りの剣によって全てが狂わされたと誰もが思っていた。アルティスはそういう認識は好きではなかった。ドグマ大陸は団結して勝ったのだ、ゼイフォゾンだけの力ではない。全員の協力があって初めて、神聖ザカルデウィス帝国から大陸を守る事ができたのだと思っていた。ゲンドラシルはアルティスの気持ちを、話をしているなかでよく理解していた。ゲンドラシルは今の神聖ザカルデウィス帝国の状況を細かく説明した。


 元帥ギルバートと将軍アイゼンは密接な繋がりがあり、ドグマ大陸侵略の作戦を立案したのはこの二人で間違いない。しかし、この侵略行為に異を唱えたのが、自分と将軍カオウス・オデュッセス・オーファン、将軍ソーン・ロックハンス。そしてそこには一切無介入なのが将軍エアラルテ・ミッテ・フェノッサ。このエアラルテは何を考えているのかが一切不明で、中では元帥ギルバートに対してクーデターを起こす気なのではないかと噂されている。穏健派の勢力は強いが、元帥ギルバートに軍部の全てを掌握されているので、逆らえないのが現状である。皇帝フェイトレイドはそれをただ傍観しているだけで、何もしない。執政は元帥ギルバートの裁量で、このインペリウス大陸を恐怖で支配していた。場合によっては税を払えない村などは焼いて民を皆殺しにしてしまうくらいは平気でやるという。アルティスはその話を聞いて、元帥ギルバートとはどんなに偉いのか疑問に思った。総帥ゼウレアーでもそんな執政はしない。確かに総帥ゼウレアーはその圧倒的なカリスマ性と膨大な仕事を瞬時に片付ける。その執政には恐怖は存在しない。だから虐殺行為などやらない、どうすればよいかだけを考えている。しかし元帥ギルバートは究極のタカ派なのだろう。手段や方法など無視できるのは、これが原因であろう。その力に心酔してアイゼンも言いなりになっている。ゲンドラシルは、この現状について苦慮していた。このままでは神聖ザカルデウィス帝国の勢力が分断され、空中分解してしまわないかと心配していた。社会主義の国家は統一政府としては完成されているが、そこから生み出される懸念は払拭できなかった。逆に元老院は優秀であるという。将軍たちの水面下の争い、元帥ギルバートの執政によって、その折衷案を導き出すために元老院は奔走していた。ゼイフォゾンは話を聞いていて、最後まで噛み砕く事ができなかった。民主主義の執政しか勉強してこなかったゼイフォゾンにとって、国民の知らない場所でこんな権力闘争が行われていく…全く理解できなかった。それはアルティス同じであった。将軍たちは軍議を毎日開かないのか、国民について協議をしなかった結果が出ているだけなのではないか。自分たちの事しか考えていないからこうなっているのではないか。二人はゲンドラシルの気持ちは理解できたが、その国の違いについては理解できなかった。話し込んでいたから、時間が過ぎるのは早かった。ゲンドラシルがリンドバーグを出ようと言ったので、二人もそうした。ゲンドラシルは、自分は城に戻ると言った。ゼイフォゾンとアルティスは、格納庫に戻り、ミカエラで過ごすと決めていた。


 ミカエラには快適な居住区が存在し、それぞれエルフェレイム城と同じように部屋があった。その部屋には、ゼイフォゾンの私物や、アルティスの私物が整理されて置かれていた。ゼイフォゾンの部屋はエルフェレイム城にあった部屋の様子をそのまま移したように、アルティスの部屋には鍛練場が設けられ、広かった。原理の力によって制御されているので、エネルギーを心配する必要がなかった。二人は部屋に戻ると、思い思いに過ごした。アルティスは久々の深酒だったので、酔いを醒ますのに必死だった。ゼイフォゾンはひとり、日記を綴っていた。ゲンドラシルの人柄は良かった。決して戦争を仕掛けるような真似をする人間ではなかった。将軍アイゼンは確かに強力な人間だったが、それを上回る力を保有しているのは明らかであった。多分、ゲンドラシルを怒らせるような事が、復讐に走らせるような事があったら、多分狙われた人間や国はこの世から消されるであろう。少なくとも、ゲンドラシルは将軍である。赤竜騎士団の団長であり、この世に存在する竜騎士の中でも頭抜けているのは間違いない。とは言っても、竜騎士という戦力を保有している国は、ここ神聖ザカルデウィス帝国のみなのだが。ゲンドラシルはこうも言っていた。覇界の中でも最大の巨躯を誇る竜王、ダーインスレイヴが自らの相棒だと。それが本当なら、侵略行為を働いた将軍アイゼンの相棒である竜王ズフタフもかなりの巨躯であった。それを圧倒しての巨躯であるとしたら、その力は恐らく、侵略という戦争を仕掛けた場合だが、その侵攻能力は比べ物にならないであろう。ゼイフォゾンはそう思っていた。あの男は、後々のために味方にしておきたい。それをするなら、アルティスの能力を借りる必要がある。人と人との関わり合いなら、自分よりもアルティスの方が適任である。この神聖ザカルデウィス帝国にはしばらく滞在するであろう。余計な首は突っ込みたくないが、そうせざる得ない場合もあろう。ゼイフォゾンが日記を綴り終わると、丁度良く、アルティスが部屋にやってきた。



「ゼイフォゾン、いつもいつも文字書いて疲れないか?まるで兄上のようだぞ。疲れを知らないというか、何というか……人間には限界と感じる事もお前らには難なくこなせるってわけだ。なんだかこの世は不平等だぜ」


「不平等か……お前の強さは他の人類にとって不平等ではないのか?あのゼウレアーを圧倒せしめるほどの武、私も見せてもらったが、地形そのものを変化させる武を持っているのは、ゼウレアーとラーディアウスと、後はお前だけだ。それも、ゼウレアーとラーディアウスは結局お前には勝てなかった。そんな力を持っているお前は他の人類から見るに不平等だぞ。それとも武と錬金術だけで、他はおろそかになっていたのか?」


「難しい事は副官のアデンに任せていた。だから俺は気楽なもんだったよ。アデンに文句が言えなくなったのはその頃からだが……あぁ、何か俺も俺なりに書類整頓ぐらいやってれば良かったな。今考えると、軍議も半分以上寝ていたし、将軍の仕事ほとんどやってねぇ気がしてきた。でも今はお前との旅が、その仕事だと思えばいいのか。なぁ、俺は何をすればいい?」


「ゲンドラシル、カオウス、ソーンの話をまとめたい。その三人と仲良くなってもらえないか?」


「人間関係構築か……俺向きだな。分かった、任せろ。それで俺はどうしようか……まずゲンドラシルと仲良くなるかな。酒の席で潰されたら終わりだが、あの男は信用に値するはず。ゼイフォゾン、お前がカオウスという将軍にコンタクトを取れないか?それから俺も交えて話そう。穏健派と言っても、ゲンドラシルは武人肌だが、カオウスという将軍は違う気がする。お前と波長が合うかも知れん。どうだ、やってみる価値はありそうだぜ」


「カオウス・オデュッセス・オーファンか。良いだろう、確かに五大竜騎士団最強の男と呼ばれるのに穏健派であるのは、私と同じく苦悩する人間なのかも知れないな。分かった、行こう。ソーン・ロックハンスはどうする?ロックハンスと言えば、あのラーディアウスの妹だろう?ここにはラーディアウスはいない。説得は難しいぞ」


「俺がそのロックハンスの妹と接触しよう。ラーディアウスの話をすれば食いつくかもな」


「では明日、我々は我々で動こう」


「まずは情報収集だ。酒場に行くぞ、リンドバーグの親父なら何か知ってそうだ。金に糸目は付けるなよ。あの親父、額を出したら出した分だけ喋ってくれそうだ」


「私は眠らないが、お前は部屋へ戻れ。早く動いた方がいいからな」


「はいよ……じゃあな、ゼイフォゾン」


「お休み、アル……」



 ミカエラの艦内からは外は見えなかった。ましてや格納庫に収まっていたので、外の景色など見えるはずもなかった。ゼイフォゾンはゲンドラシルにある疑いをかけていた。あの男は、実は元帥ギルバートの麾下の将軍で、穏健派に見せかけてこちらを罠に嵌めようとしているのではないか。もしかしたら、明日、このミカエラを押収しにやってくるかも知れない。知らない場所で、ミカエラの情報を流しているのかも知れない。そうなったら望むところだが、大規模な戦闘を光都エリュシオンでやって、火の海にするわけにはいかない。国民に被害がいくような真似はできない。しかし、それを逆手に取って、こちらの身柄を拘束する手も考えられる…そんな事を考えていたが、杞憂に終わりそうだった。あのゲンドラシルがその気なら、今頃そうしていたであろう。将軍アイゼンは敗北した戦犯として、今謹慎中なので外に出る事はないが、蚊帳の外でクーデターを企んでいるとされる将軍エアラルテが、もしかしたらこちらにコンタクトを取ってくる可能性がある。クーデターの材料を皇国レミアムに持ち込むとなれば、国交断絶にも繋がるので止して欲しいところではある。ゼイフォゾンは椅子に座って、考え込んだ。そして今後の動向を憂い、悩んだ。いかに強大無辺な力を保有していても、どうにもならない事はある。破壊するだけが戦争なら簡単だが、そうはいかない。圧倒的な軍事力で侵攻しても、現に神聖ザカルデウィス帝国は失敗した。永久焦土にするだけの侵略など、結局のところ誰もできないのだ。それを証拠に、将軍アイゼンがどれだけ過激な思想を抱いても、元帥ギルバートの思惑通りでなければ自由にならないところもあった。これは、コル・カロリ統一のビジョンに乖離があったとしか言いようがない。こんな事を考えていても、ガトランが戻ってくるわけでもない。ゲイオス王国最強の将軍にして、稀代の天才は、天界に昇ってしまった。できれば、ミカエラで共に、また旅がしたかった…ゼイフォゾンはそう思って、夜が明けるのを待った。時間になればアラームが鳴り、起こしてくれるが、起きるのはアルティスであって、ゼイフォゾンではなかった。


 アラームが鳴った、時間である。アルティスは寝起きはいい方なので、不機嫌になる事はなかった。居眠りから起こされるのは極端に嫌がったが。とにかく、夜が明けた。神聖ザカルデウィス帝国と皇国レミアムの時差で、アルティスの体の調子は少々狂っていた。しかし、問題なく動く事ができた。このまま出てもいいが、その前にリンドバーグがいつ開店するかを知りたかったので、ミカエラで検索をかけてみた。すると、まだまだ開く時間ではなかったので、どこかで情報収集をお互いにしようと話をしていた。すると、ミカエラのモニターにゲンドラシルが映った。一人である。二人を待っているようであった。ゲンドラシルが二人に外に出てくるように促した。ゼイフォゾンとアルティスは、その指示に従って、ゲンドラシルと再会した。軍など連れていない、むしろ律儀な男だと二人は感心していた。皇国レミアムの人間と共に行動できるのがよほど嬉しいらしい。ゲンドラシルは、自分の得物を背に差し、いつでも戦闘ができる準備ができていた。別に本当に戦闘するつもりではないが、礼儀として、自分の手の内を明かしたのである。ゲンドラシルが真上に向って指を差した。自分たちの周囲だけに積乱雲があるのかと勘違いしていたが、違った。竜である。真紅の巨大な竜、それも山のように大きい。ゲンドラシルの相棒である。覇界の勢力の一つ、帝焔宿の長、竜王ダーインスレイヴ。こんな竜がドグマ大陸に上陸していたらと思うと恐ろしくなる。こんな化け物が飛翔して、ブレスでも吐かれたら終わりだ。アルティスは、このゲンドラシルは自分たちに敬意を払って、ダーインスレイヴを見せたのは分かったが、逆に悪寒すら覚えた。竜はドグマ大陸にも存在するが、こんな巨躯はいない。ましてや竜王と呼ばれるものが空を飛んだ事などない。大した竜など、ドグマ大陸には存在しない。


 だが、神聖ザカルデウィス帝国には存在している。確かにこの姿を見ると、誰もが戦慄するであろう。覇界で竜王と称されるには、せめて数十万年は他の竜と闘争して、その座を勝ち取らなければいけない。その激しさは凄絶の一言に尽きる。このダーインスレイヴを見れば分かる。この竜王はざっと一億年、竜王の座に就いている。それも圧倒的な暴虐の力で。ゲンドラシルは、これが自分の個人としての戦力だと伝えた。二人は安堵した。このゲンドラシルが敵になるような事は絶対にしない方がいいと思った。ゼイフォゾンはそれを確認すると、将軍カオウスの居場所をゲンドラシルに訊いた。ゲンドラシルはカオウスはインペリウス大陸に存在するクセルクセスの砂漠の居城にいると伝えた。ミカエラを動かしたいと伝えたが、それは目立つから止した方がいいとの事。そして、特殊な車があるから、自分の部下に運転させると言った。どうやら砂地を走破できる性能があるらしい。アルティスは、そのままゲンドラシルと行動すると言った。リンドバーグにはアルティスとゲンドラシルが行って情報を獲得する。ゼイフォゾンは、クセルクセスの砂漠に行かなくてはいけなかったので、諸々の仕事はアルティスに任せた。しばらくして、車が到着した。足が大きい車だった、ゼイフォゾンはそれに乗り込み、そのままクセルクセスの砂漠まで走っていった。アルティスがそれを見送るとゲンドラシルに案内されるがまま、光都エリュシオンを歩いた。


 二人の旅はまだまだ序章に過ぎない。しかし、これから来る障害は大きく、ねじ曲がったものになるとは、誰も想像していなかったであろう。何故なら、ここは神聖ザカルデウィス帝国。最も歴史が古く、最も強大で、最大の大陸を統一した国なのだから。光ある場所には、いつも冷たい闇が潜んでいる。大きければ、大きいほどに…。

最後まで読んで下さり、感謝しております。次の更新をお楽しみに!

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