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DEAR MILLENIA~ディア・ミレニア~  作者: 風雲 香月
~皇国レミアムへの道~
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~皇国レミアム復活編~ 逢瀬

 話が終わったオーガンとガトランは、部屋から出ていった。ガトランはゼイフォゾンの仕事について口添えをするべく、外へ出たのであった。ゼイフォゾンは自分のするべき事を探した。というよりもただ待っているのもするべき事の一つでもあった。ゼイフォゾンは思案した。このコル・カロリで自分の役割は何なのだろうかと。皆、役割を持って生まれてきている。人間も、おそらくは魔族も、その他の種族もそうだ。自分のすべきことを知っている。だから生活が営めるし、家族を持てる。この先は、おそらくは自分には絶対にやってこないであろう未来。ゼイフォゾンは思案しながら孤独と戦っていた。オーガンの妻はおそらく自分を絶対に受け入れないであろう。それだけは分かるのだ。あの冷たさ、警戒心を解くには相応の時間が必要になる。オーガン自身は大丈夫であろう。助けてもらった恩があるとは言え、一応の信頼関係は築けたと確信している。ガトランはどうだろうか。自分が戦士でも何でもないことを正直に言ったらどうなるであろう。それで仕事を失ったら自分だけでなく、オーガンの家族からも追放されてしまう可能性が高い。ゼイフォゾンは物憂げな顔をして、机に肘をかけた。そして深く、大きなため息を吐いた。意識を整えるには深呼吸をするのが人間の良い所である。しかし、彼は自分が人間でない事はもう分かっていた。深呼吸をしようが気は紛れないし、意識を集中させるにはより凄惨な想像をするしか方法がなかった。想像の中の自分は戦士ではないのに、いつも戦っていた。戦って虚しい勝利を得る事しか頭になかった。思案しているうちに眠くなるかと思っていたが、そうはならず、自分がより普通ではない事をただ認識させるだけの時間稼ぎをしているに過ぎなかった。ゼイフォゾンはいつも物憂げな顔をしていた。せめてこの姿形だけはどうにかならないかとばかり思っていた。オーガンは戻らなかった。


 オーガンはハーティー共和国のユッセ城にいた。ユッセ城自体は巨大ではなかったが、地下の作りは見事であった。幾重にも重ねられた地下の内部は地下都市、まるで闇の底に作られた城塞そのものであった。そこには地下牢獄や秘密の部屋なども多数存在し、地下をより複雑にしていた。水滴の音が響き、配管の震える不気味な音も聞こえてくる。ここはそういう地獄なのかも知れないとオーガンはいつも思っていた。重苦しい雰囲気に空気、暗い室内に通路、ここは何もかもが閉ざされた空間であった。スパルタンの兵士はその空間に自由に出入りできるのではなかった。何か理由がなければこの空間には呼ばれない事になっていた。オーガンは地下の秘密の部屋の一つにいた。そこで待たされていた。何かの勅諚がなければ、そんな部屋で待つ必要もなかった。勅諚に従えばこその行動であって、そこには何の矛盾もなかった。オーガンは疲れていた。ゼイフォゾンを匿った事ではなく、何かに対して疲れていた。その何かとは、この今の状況に対してであった。堅苦しい空気は好きな方ではなかった。何なら仕事そのものを投げ出したかったのもある。しかし家族がいる手前、勅諚には従っていた。上の決定には逆らえなかったというわけである。その隣にはガトランもいた。ガトランは緊張こそしていたが、オーガンよりは忠実な性格をしていたので、危うくはあったが、従うという行動には慣れていた。親子でこの地下の秘密の部屋に通されるのは初めてであった。


 少し時間が経った頃に、ある男が秘密の部屋に入ってきた。その男は大柄で、オーガン以上に屈強な事を物語るには相応しい鎧を身に纏っていた。その男が部屋の鍵を使って施錠すると、辺りの空気は更に重苦しくなった。けたたましい金属音が鳴り響く。オーガンとガトランは姿勢を正した。そして胸に手を当て、ハーティー共和国流の敬礼を行った。腰には長剣を携えており、いかにも只者ではない事を物語るには充分であった。二人はその男の表情を伺っていた。一体どんな事を言われるのだろうかと不安でもあった。しかし、その内容も、呼ばれた理由も、ふたりはよく知っていた。そして今入ってきた男の性格も、これから言う事も大体は知っていた。その男は愚かではなかった。数ある秘密の部屋の中でも特に入り組んだ、特に厳重に守られていた部屋に二人を呼んだのだった。男はオーガンにはあらかじめ地図を渡しておいた。だから迷路のような地下城塞の中でも迷わずに部屋に入れた。外鍵ではなく、内鍵だったので問題はなかった。重苦しい空気は晴れる事はなかった。オーガンは帰りたくなった。ガトランはいつまでも忠実であった。男は殺風景な部屋に似合わぬ派手な椅子に腰かけると、二人の様子を観察した。


「では報告を聞こうか。一振りの剣はどうなっている?」


「まだ見つけられていません。一振りの剣はまだ見つかりませんが、私の家に魔族とも言い難い存在がやってきました。恐らくは、それと何か関係があるかと」


「ではガトラン、君はどう思っている?」


「私の察するに、その存在……男が一振りの剣ではないかと思っています」


「素晴らしい。皇国レミアムの連中には嗅ぎ付けられてなかろうな?」


「は!スパルタン隊長ゴート・へヴィン将軍閣下!」


「よろしい。ではこの部屋から出るとしよう」


 ゴート・ヘヴィン将軍、ハーティー共和国の百人の精鋭の隊長。この男の語る“一振りの剣”とは一体何を示しているのか。ヘヴィンは椅子から離れ立つと、鍵を取り出し、鍵を開けた。鈍い金属音が再び鳴り響く。オーガンとガトランはその様子をじっと観察した。二人もその一振りの剣について何か知っているようであった。その対象は、ゼイフォゾンであった。ゼイフォゾンが一振りの剣であるという証拠はどこにもなかった。ただ二人はそうなのではないかと思っていただけであった。そもそも一振りの剣であるとして、魔族以上の化け物であるとして、何故ゼイフォゾンを疑うのであろうという感情の方が勝っていた。あのような純真無垢な存在が何故脅威になるのであろうと思っていた。皇国レミアムが必死になって探しているという一振りの剣が仮にもしゼイフォゾンだとして、オーガンとガトランはそれを黙って差し出す気にはなれなかった。ここまで深く関わった以上、家族同然である。家族をみすみす差し出せるほど人間としては腐っていない。ましてや剣の腕も、魔術の腕も皆無なあの存在を、一振りの剣であるという名目で理由もなしに囚われの身にさせることを二人は否定した。ヘヴィンが何を考えていようと、それだけは守りたかった現実であった。そんな二人の気持ちを、ヘヴィンは理解していた。恐ろしいことに感づいてもいた。自身の命令に反抗するでろう二人の事を見抜いていた。ヘヴィンは愚かではなかった。だが、そこに人間らしさはなかった。


 通路を進むと足音が鈍く響いてくる。ヘヴィンの後をついていく二人は、あわよくばヘヴィンを斬り殺そうと思っていた。殺意を向けていた。なのでヘヴィンも殺意を放っていた。二人の思惑を知っていたので、二人をまとめて殺す準備はできていた。オーガンとガトランの腕を以てしても、ヘヴィンには敵わなかった。将軍の地位は名だけではなかった。その上、頭も切れていた。そのヘヴィンが何故、一振りの剣を追うのか。理由は明快であった。皇国レミアムが誇るのは神の域に達した錬金術、その錬金術を用いた儀式によるもので一振りの剣は生まれた。その一振りの剣は、皇国レミアムのみならず周辺諸国を巻き添えにして生まれたものである。それは絶大な力を有し、操ることができれば皇国レミアムの圧倒的な軍団にも容易に対抗できる。だが、そんな想像も安易であることもまた然りであった。一振りの剣はまさしく聞きしに勝る得物だろうが、皇国レミアムの将軍たちはそんな事では怯まない。また、その皇国レミアムの帝王は比類なき力を持つ“七英雄”の一柱であるという。ヘヴィンが愚かではなかったのは国内だけの話で、外の世界に関して言えば井の中の蛙そのものであった。その点で言えば、ヘヴィンは非常に愚かな将軍であった。七英雄が何だ、皇国レミアムの将軍が何だという強気な姿勢は認めるに値するが、その力は想像以上であることをヘヴィンは知らなかった。もしくは知らない方が身の為だった。オーガンとガトランは何もしないまま、地下の出口へと向かった。そして、ヘヴィンと別れた。


「本当にあのゼイフォゾンが、一振りの剣だという認識があるのか?」


 オーガンはガトランに尋ねた。


「いいや、でまかせさ。あのヘヴィン将軍には通用しなかったようにも思えるが」


「あれでいいんだ。下手に尋問されるよりはましだった。それに、本当にゼイフォゾンがあの一振りの剣だったとしても言うものか。あんな何も知らない者を黙って差し出せるほど悪魔ではない。俺は自分の信じる道を進むだけさ」


「そうだな。それがいい」


「さて、イゼベルが飯を作って待っている。明日は戦争だ。皇国レミアムと手を組んだゲイオス王国と戦になる。食って英気を養って、戦に向うんだ。俺たちはスパルタンだからな」


「あぁ、分かってるさ」


 ゼイフォゾンはひたすらオーガンとガトランの帰りを待っていた。自分の思案する内容に疲れていたので、何も考えないことにしていた。明日に戦争がある事さえ知らなかった。これからハーティー共和国の未来がかかっている戦が行われるであろう明日に思いを馳せていた。きっと平和であるようにと願っていた。オーガンとガトランが帰ってきた。そういう音がした。なので、ゼイフォゾンは部屋を出た。それに呼応するかのようにイゼベルも二人の帰還を迎えた。ゼイフォゾンは自分は邪魔者ではないかと思っていた。なので、少し身を引いた。しかし、オーガンとガトランは快くゼイフォゾンを歓迎していたので、問題なかった。だが二人はヘヴィン将軍の事については伏せておいた。ゼイフォゾンの性格を知っていたからである。そしてゼイフォゾンはオーガンとガトランが何かしらの隠し事をしているのは察しがついていた。それを問い質す必要もないと思っていた。おそらく自分絡みの事であろう。それについて誰かと話し合っていたのだろう。その内容はともかく、ゼイフォゾンは聞かない事にした。それが家族の為であろうと知っていたし、二人の仕事について何か口を出す資格は自分にはないとも思っていた。ともかくオーガンとガトランは帰ってきた。イゼベルも料理を用意していた。その中にはゼイフォゾンの分も用意されていた。ゼイフォゾンはその状況に少し困惑していた。


 イゼベルもゼイフォゾンの分を用意する気は毛頭なかった。しかし、オーガンとガトランはそれを許さないであろう事も知っていた。二人の優しさにイゼベルも心を動かされたのだ。ゼイフォゾンはイゼベルの冷たい視線を見ると少しため息を吐いたが、それで済んだ。テーブルに料理が並ぶ。エギュレイェル公国産の赤ワインを使った煮込みと、後は野菜だと告げられた。ゼイフォゾンにとってはこれが初めての飲食である。そのことについての知識はあったので、ゼイフォゾンは椅子に座ると、全員が椅子に座るのを待った。オーガンとガトランも椅子に座った。そしてイゼベルも椅子に座った。ゼイフォゾンの隣であった。少し気まずかったが、仕方がなかった。そして明日の予定を、オーガンとガトランから聞いた。明日は戦争であると。それはゲイオス王国との戦になる事を告げられた。百人の精鋭スパルタンはもう皇国レミアムとの戦で半数にまで減ってしまっているので、自分たちも出なければいけないのだという。ゼイフォゾンに心の平和は訪れなかった。オーガンはそんなゼイフォゾンの様子を見て気を使った。


「そんな暗い顔をするなって。せっかくの綺麗な顔が台無しだぜ?」


「しかし、死ぬのかも知れぬのであろう?」


「そうだな……。だが俺たちはスパルタンだ。生きて帰って来るさ。必ずな!」


「だが……そうやって戦ってそのスパルタンの半数は皇国レミアムとの戦で死んでいったのであろう?それはどう説明する?」


「相手はゲイオス王国だ。皇国レミアムじゃない」


 ガトランが遮った。戦の前の食事の味をまずくしたくなかったのである。オーガンも重々分かっていた。今のハーティー共和国では皇国レミアムどころか、どこの国にも勝てない事を。スパルタンの兵士が約五十二人死んだ。そんな具合で、他国との戦争を止めないのはヘヴィン将軍が強行する姿勢を崩さなかった為である。それであと何人の犠牲者が出るのであろう。どれだけの家族が悲しみを背負う事になるのであろう。想像するだけでも嫌だった。少なくともガトランは。オーガンはガトランの気持ちをよく分かっていた。親だからではなく、同じ男として分かっていた。戦の前の食事こそ明るく過ごしたい。そんな気持ちをゼイフォゾンはやっと察した。そして戦の事についての話はしなくなった。その代わり、オーガンが話題を繰り広げた。あの酒屋の店主は嘘つきだとか、あの武器屋の言う事は信用できるけど武器の質が悪いだとか、そんな話題である。ゼイフォゾンは食事をしながら初めて笑っていた。これが営みというものなのかと。イゼベルもくすくすと笑っていた。夫のこういう楽天的なところに惹かれたのだったら、間違いない。惜しむらくは、その息子まで戦場に出なければいけない事であろう。ガトランは自らスパルタンの兵士になる事を選んだのであった。それは仕方のない事であった。オーガンも、イゼベルも反対したのだが、止めることは出来なかった。そして、その通りにスパルタンの兵士になり、剣の腕を磨いたのであった。夜が迫っていた。夜は長いように思われた。


 その夜の出来事。ゼイフォゾンは眠りに就かなかった。眠れないのではなく、眠る必要さえ感じさせなかった。なので、眠らない事にした。それを心配してか、ガトランがゼイフォゾンのいる部屋に入ってきた。ガトランも眠れないのだという。戦争に出るのが、明日で初めてなのであった。自分に人が殺せるのか不安であった。他人の家族を奪うのかも知れないと考えると、ガトランも葛藤していた。そしてただ震えていた。ゼイフォゾンはそんなガトランの肩を抱いた。その不器用な抱き方には、ある種の愛があった。その愛は不器用ではあったが、ガトランの不安を取り除くのには必要不可欠な行為であった。


「俺、ダメかも知れない。ゼイフォゾン、ゲイオス王国にはまだ屈強な者たちがたくさんいる。俺は勝つつもりで戦場に出るけど、やっぱり怖いよ」


「私はな、ガトランよ。お前が無事に帰って来ることだけを祈っている。オーガンもだ。こんな私を受け入れてくれたお前たちに感謝しているのだ。戦争は悲しい、それは分かる。私も戦争から逃げてきた臆病者だからだ。だがお前には力がある。守るべきものもある。そこが私と決定的に違うところだ。私にはこんな事しかできないが、帰ってこい。そして私に仕事を紹介してくれ」


「ゼイフォゾンの鎧は暖かいな。他の者の鎧は冷たいのに、暖かさを感じる。これはゼイフォゾンの心がそうさせているのだろうな。俺には分かるよ。ゼイフォゾンは逃げたんじゃない。何か使命があってこのハーティー共和国に来たんだってこと。母さんには反対されるんだろうがね」


「使命……か。考えてみよう」


 ガトランは出ていった。そしてゼイフォゾンまた一人になった。ガトランの背負うものは決して軽くはない。親よりも先に死ぬのは最大の親不孝者である。彼は考えた。これから自分が目指すのは皇国レミアムだが、その皇国レミアムにも答えが見つからなかったらどうなるのであろうか。自分自身を見失うのではないか。そうなる前に、オーガンとガトラン、イゼベルにはどうやって別れを告げようか。皇国レミアムを目指すと言うと、間違いなく反対されるであろう。何故なら、皇国レミアムを目指すにはシュテーム連邦王国を経由して、ゲイオス王国にたどり着く必要があるからだ。何の力も持たない自分が旅をするにはとてもではないが過酷な道になる。しかし、彼は心に決めていた。例え皇国レミアムで答えが得られなくとも、それは自分自身で見つけると。しかし、明日、オーガンとガトランが帰って来るという保証もない。それでも帰ってきて欲しい。ゼイフォゾンは眠れなかった。そうしているうちに、次はイゼベルが部屋に入ってきた。彼女は物憂げな表情を崩さなかった。


「ガトランがここに来たでしょう」


「あぁ……来た。しかし怖がっていた。いつ戦場で倒れるかも分からぬのだ。それは分かる。しかし、他国とは言え、命を奪うことについて恐怖していた。ガトランは優しいのだな。まだ人殺しではない証拠だ。私は今祈っていた。オーガンとガトランが無事に帰って来ることについてだが」


「優しいのですね。ガトランは眠りに就きました。あなたのおかげでしょう、それにしても不思議な方ですね?ゼイフォゾン様、まったくの他人である家族の心配をするなんて」


「そうかな……そうなのかも知れぬな」


 イゼベルも部屋を出た。そしてまたゼイフォゾンは一人になった。イゼベルから話しかけられるのは、今回が初めてであった。彼女なりの感謝だったのかも知れない。それを察したゼイフォゾンは夜空を見上げた。星が彼の美しい顔を照らした。その表情もまた、物憂げだった。悲劇が迫っていた。彼には予想もできなかった悲劇が迫っていた。ゼイフォゾンの姿は星に照らされて、いっそう神々しくなった。彼は眠らなかった。眠る必要がなかった。眠るという概念がなかった。ゼイフォゾンは神に祈った。もしも神という存在がいるとするのなら、それに祈った。彼の全知全能を祈りに捧げた。夜明けまでは遠く感じられた。オーガンは眠っていた。ガトランはやっと眠りに就いた。イゼベルは眠れなかった。自分の子を戦場へと初めて送り出すのだから。だが、スパルタンの兵士である以上仕方のない事だった。


 流星が夜を切り裂いた。流れ星は巨大だった。それは青から赤に変色した。戦場になる予定の野原に落ちたかに思われた。ゼイフォゾンは不吉を感じ取った。祈りからますます不安が込み上げてくるのを感じた。それは幕開けだったのかも知れない。だが、ゼイフォゾンには分からなかった。この不安の意味がよく理解できないでいた。オーガンとガトランは帰って来るはずであると信じていたからであった。杞憂になれば何と都合のいい出来事かと思っていた。


 夜は過ぎていった。無情にも過ぎていくのを待つばかりであった。ゼイフォゾンは何もできなかった。



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