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無理ゲーの世界へ 〜不可能を超える英雄譚〜  作者: 夏樹
第2章 英雄の成長
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レベリングの果てに



俺達はひたすらモンスターハウスレベリングを繰り返した。職業を極めれば、エルドラドに戻って変更し、何日もかけて飽きるほど周回した。



おかげで当初とは比べものにならないほど強くなった。



俺のレベルは302。もう補正がかなりかかっているのでレベルアップはほとんどしなくなったが、職業経験値のためにレベリングを続けていた。



ステータスも大幅に向上している。素早さが足りなくて回避が不安になることもほとんどないだろう。



防御力やHPも高いので、さすがにウォルフガングは無理でも、プロメテウスが相手なら数発耐えられる。



一番大きいのは、職業を極めたことでスキルが増えたことだろう。



ウォーロックを極めたことで、

【ハイマジックガードアップオール】味方全員の魔法防御を大幅に向上させる。

『MP高速回復』常時発動型のスキル。時間経過でMPが高速で回復していく。

【ボルケーノ】火属性の上級魔法。広範囲に火属性の特大ダメージを与える。

【グラビティ】闇属性の上級魔法。黒い重力球で敵を押しつぶし、ダメージを与える。



盗賊も極めた。

『ドロップ率アップ』敵のドロップ率がわずかに上がる。

『急所突き』成功するとクリティカルが発生し、失敗すると0ダメージとなる。

『鍵開け』簡単な鍵を開けることができる。

『気配察知』常時発動型スキル。10m範囲に敵がいるとアイコンが現れて分かるようになる。


僧侶も極めた。僧侶や盗賊は攻撃力が大幅に減るので不安だったが、レベルが300近くになれば、十分にモンスターハウスレベリングが可能だった。



僧侶のスキル。

【ハイケア】最大HPの50%を回復する。

【キュア】毒、麻痺、眠り状態を回復できる。

【ガードアップ】一定時間、防御力を少し上昇させる。

【ライトボール】光球をぶつける。光属性の初級魔法。



そして、僧侶と戦士を極めることでなれる上級職、パラディンも極めた。

【ハイガードアップオール】味方全体の防御力を大幅に上昇させる。

『不動心』一定時間、防御力が上昇し、仰け反りや強制スタンが起こらなくなる。

『ハイキュア』全ての状態異常を回復させる。

『ホーリーソード』単体に光属性の大ダメージを与え、与えたダメージ分、自分のHPを回復させる。



パラディンは優秀なスキルを覚える。特に『不動心』は非常に使える。英雄にとって回避が出来なくなる強制スタンは致命的だし、吹き飛ばされて距離を取られると勝ち目がなくなる敵もいる。



戦士から続く上級職3つ、グラディエーター、バーサーカー、パラディンを極めたことでなれる、最上級職ソードマスターになった。



最上級職は異常に経験値が必要なため、結局これはまだ極められていない。あと1つスキルを残している。



ソードマスターは攻撃力と素早さが凄まじく上昇する。代わりに防御力と魔法攻撃力の上昇率は低い。英雄にとっては、防御力はあまり必要ないので、うってつけと言える。



ソードマスターはまだ途中だが、『流水の構え』と『閃光連撃』と『剣の極み』を覚えた。



『流水の構え』はあの心剣のゲンリュウが覚えているカウンター技だ。カウンターできるタイミングがあまりにシビアで、ゲンリュウが仲間にしてみたらガッカリする原因でもある。



そして、『閃光連撃』これが俺の『剛殺斬』『絶命斬り』を超える最大ダメージの技となる。



目にも止まらない速度で、神速の連撃を行う。一撃一撃もダメージが通常より大幅に上昇しているのに、それが10連撃となる。



『ドッペル』で分身していれば、20連撃。他の攻撃力補正を併用して、凄まじいダメージ量だ。



欠点は、連撃なので全てに敵の防御力分ダメージ緩和が入ることだ。防御力が高い敵には防御力の10倍ダメージが減ってしまう。そう考えると、防御力が1回分しか減らない『絶命斬り』の8倍に軍配が上がる。



しかし、俺には防御力無視の斬鉄剣がある。これで『絶命斬り』の8倍を超えたダメージをノーリスクで行うことができる。



そして、俺が絶対に手に入れなければならなかったスキル『剣の極み』。これを取得することが今回のレベリングの目的でもあった。常時発動型スキルで、剣を装備時に素早さと攻撃力が上昇する。そして、斬撃ダメージが無効となる。



プロメテウスの武器は軍刀であり、斬撃ダメージとなる。レベル300を超えているだけで勝てるほどプロメテウスは甘くない。



レベル300というのはあくまで、挑戦をする権利を手に入れたという程度だ。300を超えた上であらゆる対策をしないと魔王軍幹部には勝てない。



プロメテウスは攻撃力も防御力も素早さもウォルフガングに大きく劣る。今の俺なら、一撃で死ぬことはない。



しかし、プロメテウスにそれは関係ない。彼の軍刀による攻撃はほとんど連撃であり、広範囲攻撃だ。それはいくら英雄でも回避が物理的に不可能なレベルで攻撃してくる。



一撃で死ななくても、手数が多く回避不可能なので、一回の攻撃では死ぬ。



だからこそ、『剣の極み』による斬撃ダメージへの完全耐性は必要不可欠だった。プロメテウスの本領は直接攻撃じゃないから、あくまで1つの攻撃手段を奪ったに過ぎない。



本当なら、盗賊からつながるトリックスターやアサシンなども極めたかったが、今は『剣の極み』を優先した。



そして、もう時間だ。明日は約束の日、ギルバードとユキがエルドラドに来る。彼らがどこまで俺の作戦を遂行できたかで、今後の展開が大きく関わる。



「アラン、ここまでありがとう」



俺は改めてレベリングに付き合ってくれたアランに感謝した。



「俺も強くなれたしな、それにたんまり稼がせてもらった、文句はねぇ」



アランも正式仲間にしたわけではないが経験値が入っているようだ。俺がステータスを見れないが、本人曰く308レベルまで来ているらしい。



「ワン」



ポチもアランの膝に肉球を押し付けた。彼なりの挨拶なのだろう。



ポチもレベル300まで上がった。しかし、彼はもうこれ以上、スキルを覚えない。あとはポチの固有イベントをこなさいといけない。今は時間がないが、ポチの固有イベントをこなせば、彼は強大な戦力として生まれ変わる。



「悪いが俺は言った通り、魔王城には行かねえからな」



アランがきっぱりと言う。実は少し期待していた。一緒に戦える戦力としてはアラン以外にいない。



「大丈夫、そうゆう約束だったし」



俺は強がって、そう答える。



「俺は敵のことをよく知ってる、俺たちは強くなったが、それでも魔王軍の幹部が相手なら余裕で殺される、俺は死にたくねぇ、それに馬鹿なあいつらをほっとけないしな」



アランの言うことは全て正しい。冷静に敵の実力を知っている。レベル300程度で勝てるほど生易しい敵じゃない。



それにモヒカンさん達のことを考えると、アランについてきてほしいとは言えなかった。



「まあ、魔王城の近くまでなら、送ってやるよ」



そう言うアランの優しさに感謝して、俺たちはエルドラドに戻った。



俺はアランと一旦別れた後、カジノに向かった。明日が来る前に俺はある人物に会う必要があった。カジノはゴルディが消えても変わらず賑わっている。



俺がカジノに足を踏み入れた瞬間、ロドリゲスが大慌てで奥に走っていった。しばらくして、このカジノのトップ、ガルシアが現れる。



「これはこれは、レン様、よくぞお越しになりやがった……、ごほん、お越しになりました、当カジノにどのような御用でしょうか?」



ガルシアはなぜか最大限の警戒をしている。俺はそんなに怖がられるようなことをしただろうか。



「いや、ちょっとビジネスの話があって」



俺が説明を始めると、ガルシアの顔色が変わった。俺はガルシアから快諾を得て、次に魔法協会に向かう。そして、レイモンドを訪ねた。



「金はもうやらんぞ」



顔を見るなり、金を無心しにきたと思ったようだ。俺がそんなに金の亡者に見えるのだろうか。



俺はレイモンドにも、案を説明する。そして、レイモンドの了承も得ることができた。



これで根回しは完了だ。あとは明日、ギルバート達を待つだけだ。




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