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08 報告?

萩野先生視点です。短めです。

中庭での授業が終わった。僕は職員室の自分の机に向かっている。廊下ですれ違った生徒達に挨拶をされているのだが、頭の中は先程の出来事で埋まっている。……御上さんと話した。彼女は僕に、どうして話を待ってくれるのかと聞いた。それが普通だと言えば、彼女は混乱したような表情をしていた。寧ろ僕の方がおかしい、という風に。…それに、彼女は死に興味があるようだった。あの時彼女は一体何を言おうとしていたのだろうか…


「萩野先生?どうなさったんですか?そんな難しい顔をして。」

「あ、北野先生。……さっき御上さんと少しだけ話したよ。」

「あら。よかったじゃないですか。一歩前進ですね〜。」

「………彼女は自分の殻に引きこもっているみたいだね。狭い世界にいる。」

「……そうですね。出て行くことを怖がっているように見えます。」

「北野先生は去年の御上さんを知ってるよね?…ずっとあんな感じだったの?」

「……基本的には。………でも、二年生の半ば頃に少しあって…。そこからもっと引きこもってしまったみたいです。」

「………北野先生は何があったかは教えてくれなさそうだね。」

「ふふっ…そうですね。きっと勝手に言われたくないでしょうし…。でも、こんなに早い時期から篠ちゃんが話せるのなら、きっとその内本人の口から聞けるかもしれませんよ?」

「………話したと言っても、彼女はまだ途切れ途切れで、声も物凄く小さかったよ。」

「それでもいいじゃないですか。あの子の中で、怖いより気になるという気持ちが大きくなったってことですよ。」

「……そう。………まぁゆっくりやってくよ。…最初は自分と似てると思って気になったけど、今はもう違うかな…。」

「そうですか。……頑張ってくださいね。私では、話せても心はあまり許してもらえていないみたいで。倫理を教えている萩野先生なら何かできるかもしれません。」

「………そうだね。」


……ゆっくりでいい。彼女の中で何かがあったのは間違いないのだ。少しずつ、少しずつ。…………それに、彼女がちゃんと人に甘えることができるようにしてあげたい。一年でそれが出来るだろうか…いや、やってみなくてはわからない。

お立ち寄り下さりありがとうございますm(_ _)m

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