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人物紹介
主人公
名前 佐丸 侑祐
学年 高校1年
身長 165cm
体重 55kg
ニックネーム さまるん、ゆうくん、ゆうすけ
誕生日 6月5日
皆から愛される一途な元気いっぱいの男の子。
幼馴染の夕望を一途に愛している
主人公の幼馴染
名前 鳴海 夕望
学年 高校1年
身長 157cm
体重 47kg
ニックネーム ゆの、ゆーちゃん、ゆのっち、なるみ、なるみちゃん
誕生日 7月7日
元気いっぱいで天真爛漫恋愛のれの字も知らない侑祐の幼馴染。
モデル体型のように細くて可愛い。
みんなに愛される。1番は侑祐に愛されている
その他 クラスメート
侑祐の親友
名前 内海 天哉
身長 161cm
体重 58kg
ニックネーム うつみ、たかや、たかやん
誕生日 4月28日
侑祐の親友、よき相談相手、桃の彼氏
夕望の友人
名前 高崎 桃
身長 149cm
体重 48kg
ニックネーム もも、ももたろう、たかさき
誕生日 8月3日
天哉の彼女。夕望の友人
その他...。
侑祐最大のライバル
名前 千葉 海音
身長 165cm
体重 59kg
ニックネーム ちば、かいとくん、ちばくん、
誕生日 9月9日
侑祐最大のライバル
引っ越してきた編入生。夕望にアタックしまくり揺れ動かす最大の敵。
二学期にいきなり編入してくる。そして誰にでもわけ隔たりなく接する夕望に恋したようで猛アタック。
「ゆうくーん!!見て~!」
今日も元気よく俺を呼ぶ声。
俺の名前は佐丸侑祐。俺を呼ぶその声の主に恋というものを知って貰いたくて毎日、奮闘している。声の主は俺の幼馴染の鳴海夕望で、夕望は恋の〈こ〉の字も恋愛の〈れ〉の字も知らない。『恋とか恋愛とかそれって何?』まさにそんな感じなのだ。俺は毎日こいつに恋しているというのに、こいつは俺のその気も知らないで俺の周りをチョロチョロとついてまわるのだ。今もそう。何かを見つけてきたのか手に持ったものを見せながら俺の元へかけてくる。大抵こいつの場合このまま俺に飛び込んできて転ぶ...。
「見てみて~!......うわっ...!」
「...っ!?」
ほら、言わんこっちゃない。俺は避けたいとこだが大事な夕望に怪我されたら困る。だから飛び込んできた主を捕まえて支えたつもりだが勢いのほうが強くその場に倒れ込む。床に2人して倒れ込んだ俺たちは夕望に俺が押し倒されているように当たり前のように倒れた。?クラスメートたちが見ているのでさすがにこの体勢は恥ずかしい。でも「みてみて」と持っているものを至近距離で見せつけ退いてくれる気はないらしい。
「...んで、何?そんな走って来てまで俺に見せたいものって。」
「あのね、あのね!...ほら見てこれ!100点!」
「...よかったじゃねーか。とりあえず俺の上から退いてくれね?重い。」
「...あ、ごめん!...でも、凄くない?夕望が100点って!」
ようやく自分が俺の上に乗っていることに気がついたらしい。慌ててどいてくれる。人の気も知らないでよくもまぁこんなふうに飛び込んで来ることだ。毎度の事だかこっちの気持ちにもなって欲しいものだ。クラスメートのこれもまた飛び込んでくると毎度のことなのだが視線が痛い。こいつはこれで結構人気があるのだ。まぁ、俺が誰にも渡すつもりは無いが。そんな中1人、別の意味で視線を送りニヤつきながらこっちを見るやつが1名。そいつは彼女持ちだから問題なしだが、冷やかしてくるうざったい俺の親友、内海天哉。
「...恋人のおでましだな?」
「...ちげーよ。」
「...恋人...あ、たかやんにももたろうから伝言預かったんだった。」
ももたろう。夕望がそう呼ぶそいつは内海の彼女で夕望の親友、高崎桃。恋人って言うのは分かっているらしいが...いや恋人と高崎から聞いたのだろう。恋人って聞いたから聞いたまま言っているのだろうから、依然として恋というのを知らないのは事実であろう。恋をするのはまだまだ先のようだ。自分たちが恋人と言われていることには一切触れないところとかもはや恋人の意味を理解してないと見て間違いない。俺は否定はしているが、少しそれは嬉しい。
「...ん?もも?あいつなんでなるみに。」
「それはね、私がゆうくんのとこに行くって飛び出して行くのこれみて分かって休み時間になる前に渡してきたからだよこれを。」
「...ありがとう。さすがももだな。」
誰にでも基本ニコニコ話す夕望。さすがに内海が夕望に対し気がないと分かっていてもちょっと不愉快だ。少しムッとしていたらしい。内海に指摘され俺の考えていたことがバレていたように奴はいった。
「...お前も大変だな。侑祐が、こんなにもわかりやすく嫉妬してんのに、鳴海はあれだもんな。」
指を示された方向を見るといつの間にか俺たちから離れたところで俺たちのクラスメートの男達に囲まれている。これだから自覚ないやつは困るのだ。
「...行けば?俺は桃のとこ行くし。」
止めに行くべきかと悩んでいたのを読まれたのか、または顔がそう言っていたのか、内海にはお見通しだったらしい。言われなくてもそのつもりだ。というか内海が羨ましい。恋人である高崎と仲良くて。俺も夕望とそんな風に仲良くなりたい。俺の嫉妬を夕望にも分かってもらいたいが伝わるのはいつもこいつ内海だけだ。そう思って恨めしそうに内海を見てやった。
「...んな、怖い顔で見るなよ。昼だぜ。早く行かないとあそこの囲まれてる男達に鳴海取られちゃうぜ?」
「...うっさいな。ササッと高崎のとこ行けば?」
そのままからかってくる内海はほっといて、多分指摘された怖い顔で囲まれてる夕望の元に急いだ。だって夕望を他の男に取られてたまるか。他の男に恋の“こ”字も知らないやつだったのに恋されてたまるか。俺だけの夕望でいて欲しい。絶対渡さない。独占欲強いのはわかってる。それでも俺の夕望でいて欲しい。最悪ずっと大切な幼馴染でいいから俺の元へ戻ってきて欲しい。
「夕望。いくよ」
「ゆうくん?何処に?」
「...昼飯。夕望の好きなの作ったから。」
半ば強引に夕望の手を掴み引きずるように男集団の中から連れ出す。いつものように作った弁当を持って。恋する女子がよく男をGETするにはまず胃袋を。なんて言うが最初はそのつもりで作った弁当。けど夕望には効かなかった思った以上に、手ごわい。けど、俺の作るもんは気に入ってるらしい。胃袋は何となく掴めたということであろう。だけどそうそうこいつは恋というふうにはならない。
「...本当に?!やった!」
「...俺が嘘つくかっての。」
「うん、ゆうくんはゆのには嘘つけないもんね。」
付けないのでなくつきたくないんだ。素のままの俺を見てほしいのが本音。昔から一緒にいるから素のままでいすぎてわかりきられているけど。それでも夕望には隠し事をしたくないので好きなことを全面に出しているつもりだが、相変わらずの恋愛音痴には伝わらないらしい。話を逸らすつもりで夕望のさっきのめでたい話題で振ってみた。
「ゆの、今日の夜はご馳走だね、」
「...今日はママもパパもいないから違うよ」
「...じゃあ、俺がご馳走作ってやるよ。オムライスかな?」
話を逸らすつもりで言ったことが、いい話ではなかった。少し寂しそうな顔をした夕望にあわてて弁解するように俺がご馳走すると夕望の好きな物を提示して言うと顔をパッと明るくして「またいつものように大好きって書いてね!」と可愛く言うものだから思わずキュンとした。それは置いといて、ガッカリさせたままは絶対嫌だから、リクエストにもちゃんと答えてやる。
「あぁ、もちろん。」
「私もゆうくんが大好きだからあれが嬉しいんだぁ~♪」
こんなふうに告白じみたことは毎日言ってくるがこいつの告白と俺の告白は訳が違う。だからちょっと...いやかなり腹が立つ。だが、それがこいつなんだと思うようにしているから何にも言わないが、ショックというか恋に早く気がついてほしい限りだ。こんなことして俺は夕望に甘い自覚はある。なのに昔から俺はこいつに毎日恋しているから甘々になるんだ。
「今日のお昼が先だよ。お昼もご馳走だ。」
「やった!じゃあ分かったハンバーグでしょ?」
「うん。正解。」
飛びっきりの笑顔で答えを返してやれば飛びっきりの笑顔で嬉しそうな返事が返ってくる。それには俺も赤面しそうなくらい可愛い。どっちが女だと思うくらい俺自身がおなおなしく感じる。俺は正真正銘男だけれど。
確認のために言っておくが、こんなやり取りを毎日している俺たちは付き合ってはいない。ただの幼馴染だ。今はまだ...。
そして、この時はまだライバルが現れるとは思いもしなかった。ずっと大切な幼馴染で隣に居るのは俺だけだと思っていた。まさかあんな奴が現れて夕望を...。