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アクシデントで力を得たら!?  作者: 睦月二音
3/6

“女神”

「........なんでこんな所に、君みたいな子が....!!」




一瞬言われた意味がわからず、思わず固まる。


「....そんなこと言われても......、っていうか結構大丈夫そうですね。すごい血塗れだけど、すぐには死ななそうですね、よかったです。」

「そんなことより、早くここから逃げないと....!!」


そんな時、階段の音が響き、先程の男達が降りてくる。


「起きたようだな。ならば始めるとしよう。」

「この子は関係ない....!解放しろ....!!」

「見られたからには生きては帰せない。性別も、年齢も、生贄に丁度いい。不幸だったと諦めるんだな。」


完全に蚊帳の外な展開に頭がついていかない。「生きては帰せない」と言うことは命が危うい状況なのだろうか。あまりに理不尽なことに思わず口が開く。


「意味わからないのでとっとと拘束解いてください。生贄とやらになるつもりないんですけど。」

「....なかなかに肝が据わっているようだな。だが我らの悲願達成の為に犠牲になってもらおう。」

「“女神”はお前らみたいなのに加護は与えない。こんな事をしても無駄だよ。」


ーーめがみ、女神ーーー。この世で女神と言えば、昔から語り継げられる童話に出てくる女神ただ一人だ。

世界に厄災をもたらし、人々を恐怖に陥れた魔王を、女神の加護を受けた勇者が倒し、平和を取り戻す、と言った小さな子供でも知っているような話だ。

まさかその女神の加護を受けようとしているのだろうか........。


「そんな減らず口もすぐ聞けなくなるだろう。やれ。」


男がそう言った途端に床に魔法陣が浮かび上がる。その禍々しい色を気にする間も無く、体が締め付けられているかのように痛み出す。


「うっ....ああああ、....ぐぅっ....。」

「....クッソ........こんな、ことして....うまく行くと思うなよ....!!」


痛みとともに意識が朦朧とし、視界が白ずんでくる。死を覚悟して目を固く閉じた時、女性の声が頭に響き渡ったーーーー。






ーーちょっと、そろそろ起きなさいよ。........まだ寝てるのかしら、なかなかに呑気ねぇ。


「....はっ!?............ええと、此処は........?」


ーー此処?うーーーん、貴女の精神世界?とかかなぁ....。


........誰だ、このゆるゆるとした女性は。この世のものとは思えない美しさだが、いちいち言動が緩い。


ーー悪かったわね、緩くて。


「....っ!....口に出してました?」


ーー出てはいなかったけど考えてたでしょ。そういう場所にいるのよ、貴女。


「....精神世界と言っても........。何が何だか、浮いてる?んですか。なんか真っ白だし、そもそも誰ですか。」


ーー私?私は....そうねぇ........あなた達の言う“女神”かしら。あんまり寝床で騒がしいから起きちゃった。


「“女神”ってあの童話に出てくる“女神”ですか!?」


ーー童話?....ああ、ルインを助けてあげたときね。私、基本的に人間好きだから、困ってるの可哀想だと思って。童話なんかになってるのね。


「そんな適当な....。」


ーーあ!そうだわ!!私こんな事話す為に貴女を読んだわけじゃないのよ。貴女が死ぬまでの間、貴女の中にいていいかしら?


「....っは、はああああああああ?」




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