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「この国に女性というか、まあ人全般だね、みんな背が高いと思わないかい?私もそんな大きい方ではないがリサとは20㎝くらい差がある。全員そんな感じだろう。リサくらいの大きさの子はね、みんな小学生くらいの年齢なんだよ。だからこの店に来るお客さんはリサを子供だと思う。まぁ背だけじゃなくリサは童顔もあるんだろうけど」
そうリサは童顔だったのであります。小さい上に童顔、幼く見える要素が多かったのです。ダンテはリサのコンプレックスを苦笑い気味に言います。リサ自信も背より気にしている部分ではありました。
「まぁ小さいだけなら仕方ないってことで、実年齢を言っても良かったんだけどね。でもさっきリサが言ったよね。陛下の噂。私もさ、信じてはいないんだけどさ、ここまで噂が広がってちゃあんまり無責任なことできなくてさ。それこそ、よそ様の子をお預かりしている身としては何事にも慎重にしなくちゃと思ってさ。だからあんな条件だしたのさ。さすがに王宮の奴らも10歳の女の子を城に招くなんてことはしないと思ってね。ということで、今まで黙ってて悪かったね」
深々頭を下げるダンテにリサは慌てだします。それはそうです。自分のことを本当に大切にしててくれて、知らず知らずに守ってくれていたダンテに感謝することはあっても、怒るなんてとんでもないという心境です。
「あの、わたし、ホントにホントーにダンテさんには感謝してるんです。ここまで生きてこれたのだってダンテさんのおかげだと真剣に思っています。右も左もわからない私に本当に優しくてもう神!みたいな感じなんです。だから、怒るとか悪いとか絶対にないですから!だから、絶対気にしないでください!それに年齢とか結構なんかどうでもいいですし。今だからわかりますけど、実年齢言ったら騒ぎになるのもなんとなくわかっていますし」
そうなんです。2ヶ月でだいたいこの町のことは理解できているのです。年齢を偽ってた方がいいのも理解できているのです。そりゃあ10歳なんて本当は嫌ですよ。だって子供なんですよ。しかしこればっかは仕方がないとあきらめています。あきらめのいい子なんです、皆口莉沙は。だから理由を知った今、もっと今まででいいと思いました。今まで通り穏やかに過ごしたいと思いました。
因みに皆口莉沙、22歳であります。