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「私は大体リサの事情は聞いているね。突然うちの裏にいたとか、違う世界にいたとか。にわかに信じられる話ではないが、服装や持ち物から確かにこの世界の住人ではないとは思う。しかも今ならリサが嘘をつくような子ではないとわかっている。ただ、この世界ではどれくらいの人たちがこの話を信じるかはわからない。だからこそ黙っているように進言したね。それは覚えてるかい?」
「はい」の意味を込めてリサは小さく首を縦にふる。
「そしてもう一つ、私は言ったね。リサ、お前の年齢について」
そう、この世界についてすぐ、リサは全部本当のことをダンテには話したのでした。必至だったにきまっています。そしてリサはなんとかダンテからの信頼を勝ち取ったのです。ただ、いくつか忠告を受けていたのです。それは、先ほど述べていた『むやみやたらに異世界から来たと話してはならない』そしてもう一つ『実年齢をばらしてはならない。ここでは10歳となのること』というものだったのです。前者の条件はわかるのです。ただ後者がよくわからないまま、しかしさからうことも聞くこともできないまま今まできたのです。
「どうしてあんなこといったのかと不思議に思わなかったのかい?すぐ聞くかと思っていたんだが、中々聞きに来ないから私もいつしか理由をいうタイミングをのがしてしまっていてね。変なこと言ってすまなかったね」
苦笑い気味に言われてしまい何も言えなくなってしまうリサです。そしてダンテの独白はまだまだ続きます。