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「リサ様。陛下の噂ってご存知ですか?」
恐る恐る今までにない小さい声で尋ねてきます。こんな下手な態度だとこちらも恐縮してしまいますねぇ。
(陛下の噂。陛下の噂・・)リサは考えを巡らせます。あんまり世間のことは知らないと自負しているリサは噂?と小首をかしげます。そうして最近聞いた話を思い出します。
「あっ!陛下がロリコンだっていう噂ですか!?」
ピンときたという輝かしい顔をしながら噂を口にします。
「城下ではロリコンだという噂が流れているんですか!?」
すぐさま驚愕にみちた顔で返答がかえってきます。
2人の間で「ん?」という微妙な空気が流れます。お互いがお互い顔を見合わせます。
「あのーロリコンって噂じゃないんですか?ケ・・ビン様が私に聞いた陛下の噂って」
「いや、ま、まぁ、間違って・・いや。ロリ・・コン・・・」
「あっ!ロリコンっていうのは、私の解釈で、正しくはえっと・・あっ、小さいモノ好き?だった気が・・・」
一生懸命二人で正しい方向に話をしようと頑張ります。リサの間違った解釈のせいでケビンは動揺してしまいました。そしてリサもケビンの動揺を見て申し訳ない気持ちになってしまい、自分の迂闊な解釈を反省します。そして食堂で聞いた常連さんからの噂を思い出します。そうです。ロリコンとまでの噂は流れてはいませんでした。小さいモノ好きという噂で一応とどまってました。まぁ、どっちみちいい噂では全然ないんですが。