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異様な空間が出来上がってからどれくらいが経過したのでしょうか。リサの気持ちも大分落ち着きを取り戻し、不躾な視線を向けていてことにも反省をする余裕まででてきました。そしてリサは核心を突くような一言をいとも簡単に吐きます。
「それであたしはなんでここに呼ばれたんですか?」
今度はケビンの方が固まってしまいました。リサはさらっと強烈な一言をはくなーと思わず感心してしまいましたよ、私は。ケビンも心中複雑だろうとお察しします。言おう、言おうと思っても中々言えず、そしてどうやって切り出したらいいものか思案していた事を、こうもあっさり、相手から振られるとはまったくもって予期してない事態でしょう。
けれど振られたからには仕方ありません。意を決して本題に入りましょう。
「リサ様をお呼びした理由。それはなんとも、とても一言では言い表せない理由なんですが・・・・」
「とりあえず・・こちらにサインを頂いてもよろしいでしょうか?」
すっと目の前に一枚の紙が差し出されました。なんでしょうか。文字がやたらと書いてあります。私視点から読みますと『この部屋で聞いた話は他言無用。もし破るようなら、その後の生活の保障はできかねる』的な内容が記されていましたよ!
うわぁー!超恐いー!!何なんでしょうかねぇ。この誓約書は。生活の保障って、まさか命までとるつもりでしょうかねぇ。こんなもの簡単に出していい物ではないですから!残念宰相の本性を一瞬垣間見た気がしますよ。そしてこんな誓約書がいるほどの話って一体・・。これから何が話されるか、もう怖すぎますね。