14、王宮でのあれこれ
馬車に乗ってどれくらいたったのでしょうか。目の前によくわからない男がニコニコしているだけでほぼ会話がありません。正直退屈です。つまんないです。時間がたつのがとても長いです。話をふっても肝心なことはのらりくらりなのです。そういえばリサは目の前の男の名すら知らないことに今更ながら気がつきます。ですが尋ねたところで答えてくれるとは思えません。早くつかないかなぁと心の中でずっと考えていました。
下町から1時間くらいといったところでしょうか、馬車は停車しました。そう、お城のついたのです。気まずい空間からやっと解放です。安堵のため息をつこうとした矢先、人さらいのごとくお城の中に連れてかれます。なんて強引なんでしょう。逃げないように捕まえてる感が半端ないです。そんなことせずとも、逃げ出すなんて不可能に近いのですがね。
そうしてリサは広い部屋に連れてかれました。今は4人はゆうに座れるであろう大きな椅子に腰かけています。周りには誰もいません。1人であります。手持無沙汰になってしまい、辺りをきょろきょろと見回してしまいます。まぁ周りの調度品がもの珍しく飽きはしません。そうやって暇を潰しているとノック音がし、今までずっと一緒だった男が豪華な衣装に着替え入室してきました。