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「城にきていただけますか!!本当にありがとうございます!!!!」
大げさなくらい頭をぶんぶん下げます。それこそ頭とれるんじゃないかと思うくらいです。そんな様子を見てて、またリサは引きます。ですが、言った一言は取れ消せません。早まったかなと思いつつ、まぁ仕方ないと高をくくります。
「では、さっそく支度してください。1分1秒おしいですしね。どれくらいで準備できそうですかね?」
さらっと笑顔で爆弾発言をしました。リサは呆けてしまいました。行くとはいいましたが、まさか今日、その上今からなんて思ってもみなかったからです。まぁ確かにそうですよね。普通は後日迎えにきます。もう何から何まで規格外の連中です。しかし、どこか逆らえない雰囲気を醸し出してきています。戸惑いつつ、「すぐしてきます」とか細い声をだしました。
宣言通り中々のスピードで支度してきたリサです。そもそも自分の持ち物があまりないのです。外出ようの服装に着替え少量のお金など、近所に買い物に行くのと何ら変わりのない恰好で出てきました。そんなリサを笑顔で見たあと、彼は馬車までエスコートし有無を言わせず、馬車に乗せました。まるで人さらいの勢いです。そうしてあれよあれよとリサはリーズナブルを後にしました。ダンテとも碌に挨拶できぬままに。
そんな一連の動きを見てたダンテは思っていました。(あの子、あんなに軽装だったけど、まさかここに帰ってくるつもりなのかしら。なんにもわかってなかったんだな、ホントに)