6話
「バイアスが戻ってくる前に聞きたいことがあるんだがいいか?」
「まあいいだろう」
「今からなれる職業といえば何がある?」
「お前の才能によるが、冒険者、騎士のどっちかだろうな。商人は雇うこともあるがそこまで多くは募集しないからな。自分で開業するというのもありだがそこまでの金はないだろ」
騎士はほかの国を自由に行けそうにない。ということは冒険者になるのがいいか。となると問題は――
「身分証明をするものって冒険者になるときは必要か?」
「そんなものは必要ない。最低限犯罪を犯してないか調べられる程度のはずだ」
「助かった。これで俺は騎士のおかげで助かったわけだ。そのことはきちんと何人かに言うから名声は上がるだろう。それが今回のお礼だ」
「恨まれないように予防線もはるか……バイアスも難儀な奴を連れてきたものだ」
ライオネルが苦笑する
「そっちが絡んで来なければこっちからは何もしないつもりなので安心だろ?」
「お前みたいな奴がこっちにいたら俺の仕事は楽になりそうだ。どうだ?こっちで働かないか?」
「記憶さがしや俺のことを知っている奴を探したいから冒険者のほうが都合がいいからな」
「それは残念だバイアスが金を持って来たらすぐにギルドに行くんだろ?場所を教えておく」
地図を広げ現在の位置とギルドの位置そして最短距離になる行き方を教えてもらった。
「あとお金のことも教えてくれないか?」
「金貨が1万クォーツ、銀貨が100クォーツ、銅貨が1クォーツだ。といっても計算できる奴が少ないから普通は銀貨何枚とか
そういう風に言うことが多いがな。商人同士ぐらいしかクォーツは使わないと思うぞ。一般的な月の収入は金貨3枚ぐらい」
ということは金貨3枚で30万ぐらい、大体銅貨が10円、銀貨が1000円、金貨は10万円ぐらいになるのか……
「冒険者になるんならその上の白金貨ぐらいまでは使うことになると思うがな」
今までの通りにいくんなら白金貨一枚で1000万か……
「ということは白金貨は100万クォーツ?」
「そうだな。んで今回渡す金額は大体銀貨7~10枚ぐらいだな」
言い終わると同時にバイアスが入って、直後袋を投げつける。その袋をキャッチして
「バイアスはさっさと帰ってほしいみたいだから帰るわ」
袋の中に入っている銀貨の数を確認して――
10枚か2、3日と言ったが3日分にしてくれたようだな。さて今から冒険者になるのかまあ楽だといいな
「ああ」
ライオネルが背後から返事をしてくる
*
街中はやはり剣や槍といった武器を持った人、亜人が多くいた。亜人は動物の耳や尻尾といった動物の一部がある獣人のようなのやファンタジーでよく見るエルフやドワーフのような特徴を持つものも多くいた
さてギルドに入ったらすぐに依頼を受けないとな。そして生活用品や武器、防具を買ってあとは何がいるかな。まあ足りないと感じたらすぐに買えるようにできる限り稼ぐか……
考えごとをしながらギルドに入った、瞬間多くの視線が集まる
値踏みか?まあそうだとしてもほかの国に行く関係でソロ活動が主になるだろう。一時的に組むのはいいが長い間拘束されるようなものについては全部断るしな
「冒険者の登録をしたんだが?」
「冒険者の登録ですね。この紙の名前、年齢は絶対に書いてください。出身地などのほかの欄は空欄でもいいですよ」
名前レン=カンザキ 年齢16歳 あとは空欄でいいか……
「書き終わりました」
「ではお預かりしますね。レン=カンザキ様ですね。ではこちらの水晶にお触りください。あとはギルドカードを発行するのでしばらくお待ちださい」
「この水晶はなんのためだ?」
「ギルドに保管されている犯罪者の個体識別ができます。さすがに手配されるほどの犯罪を犯した者をギルドに入れるわけにはいきませんので」
「そういうことか」
水晶に触るとほのかに光る
「大丈夫ですね。ギルドカード発行まで1時間程度かかりますがここでお待ちになられますか?それともあとで来ますか?」
「武器なども見てきたい。だから後で」
「はいわかりました。今から1時間後には受け渡せるようにしておきますので用事か済んだらできれば早く来てください」
「あと武器屋がどこにあるか教えてくれないか?」
「それでしたら、ギルドを出て右に行って初めの曲がり角を左に行ったところにありますよ」
「ありがとう。さっそく行ってみるよ」
武器か……何がいいかな?やっぱりファンタジーと言ったら剣だろ。しかしリーチのある槍と大剣も捨てがたい。弓は練習しないと使えないだろうから今の状況にはあってないしな。双剣も高度に連係させることができないと使えないって聞いたことがあるから無理だろうな。とりあえずまずは安い武器を使ってどれが使いやすいか考えてそれから高い物を買うか……あとザブとしてダガ
ーか格闘用の手袋かメリケンサックがあればいいか……
「いらっしゃい。今日は何をお探しで?」
「剣と大剣と槍の中で一番安いのを、それとダガーと格闘用の装備を見せてほしい」
「剣と槍は銀貨2枚、大剣は銀貨3枚、ダガーは銀貨1枚、格闘用は手袋が銀貨1枚、ガントレットが銀貨2枚、鉄で補強した靴が銀貨2枚が一番安いやつだな」
1つ1つ出しながらその値段を言っていく
「素振りしていいか?」
「してもいいが壊すなよ」
肉体強化によって大剣でも楽々振ることができるな。とりあえず大剣にしておくか。ザブは後のことを考えると格闘がいいが金が足りないな。それにたぶん剥ぎ取りとかしないといけないときもあるだろうからダガーがひとつはいるだろうし、今回はダガーにしておくか……
「大剣とダガーをくれ」
「まいど。銀貨4枚だ」
防具は稼いでからだな。次は宿探しか……安いところがあればいいんだがな。
「宿で安いところってどこにありますか?」
「安いところね……それなら地鶏亭がいいんじゃないか?ギルドのある道にあったはずだ」
「行ってみるわ。ありがとな」
次回爺再登場www・・・・・(するとおもいます)・・・・・・