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100人の候補生  作者: マオ
傍観者編
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5話

「初めまして。私はアーク王国軍辺境隊シドニア駐屯地の責任者ライオネル=ハーゲンだ」


「初めまして。俺はレイ=カンザキと申します」


「バイアスから聞いていると思うがお前には魔族のスパイであるという容疑がかかっている。それについてはいいな?」


「わかっている。だが俺のどこが不審なんだ?」


特におかしいことはしていないはずなんだがな?どこが悪かったんだ


「まずはダーナの森の神殿に住んでいた。そしてダーナの森の先は魔族の国だ。それにここより先に人が住んでいるところはないんだよ。あとはスライムを持っていたことだな」


「スライムを持っていたことがそんなに不思議なのか?」


溶けるということもないし特に襲い掛かるということもなかったから普通に持つことぐらいはできるだろ


「何を言っている?スライムを持つなんてしたら手が溶かされるだろうが!?」


常識だろうが!?とでもいうように怒鳴り、厳しい目を向けてくる


「バイアスが言ったと思いますが俺は記憶喪失ですよ?わからないものがいたから触りその結果特に害がないとわかったので持っていたら触り心地がよかったので持ち歩いただけですよ?」


嘘は言っていない。興味が湧いたから触っただけだし、まあスライムぽっかったので触るのも最初は慎重に触ってたしな。


「だが触る方法はあるにはあるがその方法というのが魔族にしか使えない能力だ。つまりスライムに触っていたということは魔族しか持っていない能力を持っている、ということはそいつは魔族となるわけだ」


「そうですか?たとえばスライムに脅威を感じた人たちが何かスライムに対して有効な道具を作っているとも考えられますが?」


「そういう道具はあるがバイアスの報告によると素手で触っていたということだならば道具を使っているということにはならんだろう。それにお前は今道具どころか私物すらほとんどない状態ではないか!?」


「今は確かに持ってはいませんが失くす前に持っていて使った後に破棄したとも考えられますよ?」


「スライムのための道具は基本的に布に耐性をもたせた物だ。つまり素手で触っていたということからその可能性はない」


「なら俺自体に耐性があるんじゃないのか?」


「そんなこと聞いたことがない。ならば能力を使ったと考えるのが一番だろ」


「それに本当にスパイならそんな目立つ行動はしませんし。それに騎士に見つからないように動くことも簡単だと思いますよ。あとは見つかったなら任務失敗として発見者を殺し、その後撤退するのが普通だと思いますが?」


「チッ……確かにそうだな。つまりお前は何者かに襲われ、荷物を奪われ、ついでに記憶を失くしたというとこが妥当だな」


「そうだろう?それに俺はバイアスに聞くまで国のことを知らなかった。そのことも記憶喪失だということの証明になると思うが?」


「バイアスどうなんだ?」


「確かに私に国のことを聞いてきました。その時に私も本当に知らないように見えました」


「ふむ……ならばこれで無実だと証明できたわけだな。バイアスも異論はないな?」


「はい!」


「ご協力感謝する」


ライオネルとバイアスが終わったと思い安堵の表情を見せる


だがこれで終わると思うなよ。これからが始まり(・・・)だよ。


「では私のほうの本題に入らせてもらいますね」


二人が同時に怪訝な顔をする


「どういう意味だ?」


「いえ、無実のお金も荷物も記憶もない人をここに連れてきて、しかも情報収集やお金の稼ぎをする時間を奪っておいて、何もこちらにしないというわけにはいきませんから」


「つまり何が言いたい?」


「2、3日暮らしていけるぐらいのお金を要求します」


「ふざけるな!?なぜ騎士がお前にお金をわたさないといけないんだ!?」


「言っただろ?貴方達は勘違いによって俺が稼ぐための行動の邪魔をした。そのことで出た損失補償、また貴方たちは拘束中の人には宿や食料を与えている。それを両方金にしてもらおうということだ」


「拘束中の面倒は見ようだが損失補償については知らん」


「そうですか?貴方達は”騎士に拘束されたがゆえに餓死した人”を作り出す気ですか?」


二人の顔色が真っ青になり、反論を探すようにまわりに目を走らせる。そして身をくくったように発言する


「脅迫のつもりか?」


「いえ、とある視線から見た客観的事実を述べたまでですが?しかしそうなればこの街の人との関係が危うくなるかもしれませんね?」


楽しいな。このさっきまで上の立場だと思っていたやつがいきなり下の立場になってしまった時の反応は


「バイアスこいつの言うとうりに3日分のお金をわたしてやりな」


「いいですか?」


「何度もいわせんな!!さっさと準備しろ!!」


「はい!!」


バイアスが怒鳴られ、走って部屋から出ていく……


「おかげでこっちは必要以上にお金を払うはめになるか……。いつから考えていた?」


「バイアスと貴方が話していたときだ」


「捕まった奴がここまで反論し、あまつさえ脅迫まがいのことをするなんてどんだけ図太いんだ?」


「こちらに有利なことしかない。それなのに下手に出る必要はないだろ」


「今回のこれは勉強料として払っておくが今度あったらこうはいかないぞ?」


とライオネルが苦笑する

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