3話
「バイアスだと?もしかして男爵だったりしないか?」
「確かに私は男爵だが?それがどうした???」
中ボスキタタタタタタタタタ━(゜(゜ω(゜ω゜(☆ω☆)゜ω゜)ω゜)゜)タタタタタタタタタ━!!!!まさかこんなところで魔界戦記ディスガイ○のキャラと同じ名前、同じ爵位が来るとは……これはいじりがい……もとい親しくなれそうな奴だ。
「街までの間よろしくバイアス」
「嗚呼、よろしく。なんだこの言っている事は同じなのに文字が違うというような違和感は……」
「気のせいだバイアス」
『気づかないという事が悲劇になるとは……』
『爺うるさい、しばらく黙っとけ』
『なんでいきなり念話が使えるんじゃ……お主は……』
『念話なんて基本的に伝えたいことを思えばいいじゃねえのか?実際にできてるし、これで疑問は解決したな。黙っとけ流石に会話しながら念話できるほど器用じゃねえからな』
街に行きながらいざという時のためにさっき手に入れた能力を気づかれないように練習するか。能力は液体化、液体操作、液体復元だっけ?まあ名前からして2つはどんなことができるか想像できるからいいが液体復元これってなんぞ?まあいいやとりあえず液体化、液体操作ができれば何とかなるだろう。それに気づかれないように能力を磨くって楽しそうだな
「持ち物もない。武器もないそんな状態でよく旅をしようと考えたものだな」
「何も持っていないから街に行って生活できるようにしようと思ったんだよ。俺のほかに誰もいない所にいるよりは誰かいるところでいろいろ知って行こうと考えたんだ。ついでに簡単な国同士の説明もしてくれないか?」
「貴様が言うことにも一理あるか。国の説明か一般的なのならいいだろう」
「今の俺は一般的な知識もあまりないのでね。助かるよ」
バイアスは疑いの目をむけたが、ここで言い争ってもしかたないとでも言うようにため息をついた
「国は現在4カ国ある。まずは北のアーク王国、ここは亜人と人間の共存を国の目標として掲げている。南東のローグレス帝国、人間第一主義国家だ。南西の魔族の国。そして山に囲まれ大陸の中心にある商業国アディシリア、ここは罪を犯さない限り魔族、亜人、人間の誰もが入国ができる。一般的に知られているのはここまでだな」
これらから考えるとアディシリアが一番身分などが作りやすそうだな。まあ街で作れなかった場合のはなしだがな
真剣に考えながらも同時に不審に思われない程度に指や体の一部を液体化、そして元に戻すという行動を繰り返す。だんだん液体化する体積もおおくしながら……
「ここはどこの国に所属しているんだ?」
「アーク王国だ。……(本当に知らないのか?いやそう思わせようとしているのか?)……」
「教えてくれてありがとうな。中ボス」
「誰が中ボスだと!?私の名前はバイアス=ジェネラルだと言ったはずだ!?人の名前を間違えることは侮辱しているのと同じことだ!!」
剣に今にも抜こうとするバイアスを見て
「すまない。人の名前を覚えるのは苦手なんだ」
とからかったのではなく本当に間違えてしまったというような暗い顔で言う
「次は間違えるなよ」
チッ……からかうたびに剣を抜こうとするんならそこまでいじれないな。まだ荒事は起こすわけにはいかない。せめてこいつが思っているスパイだという誤解がなければ。俺の行動の何がいけなかったのだろうか?わからないな。まあいい暇つぶしなら爺と能力の練習がある
「すまなかったバイアス」
やっと街が見えてきた。液体化も全身できるくらい慣れてきた。今俺ができる最善は尽くした。あとは無罪になって色々教えてもらえればいいんだがな……
『わしいらない子なのかな?』
と誰かが言った気がした。