22話
犬耳のおっさんと目があった瞬間零も|爺<ウィキ>も犬耳のおっさんも固まる
「「『…………』」」
犬耳のおっさんが何が起きたかわかっていないがとりあえず目の前の零を脅しこの状況を知っているかを聞くために口をひらく
「お――「わかっていた。やはり犬耳とかが似合う美人が出てくるわけがないと」――い」
が零が犬耳のおっさんをあおるように重ねて言う
「だがしかし、いくらなんでもこれはないだろ。おっさんの犬耳なんて誰得だよ。むしろ見ている奴らの気分を害すからゴミか」
犬耳のおっさんが顔をゆがめ、青筋がうかぶ
「誰が犬耳だ!!俺は狼の獣人だ!!あんな雑魚どもと一緒にするんじゃね!!」
『怒るところはそのこなのかの!?』
「おまえが突っ込んでもアイツにはきこえないんじゃないのか?」
「何を意味の分からんことを言ってやがる。もういい死ねよ」
腰にあるサーベルや青龍刀のような反りのある片刃の剣を素早く抜き、零の方に走りながら上段から振り下ろす
零はおびえたように両腕でかばい、その両腕ごと左肩から右腰のあたりまで一刀両断される。そしてもう用はないとでもいうように後ろを向き剣をおさめ考えはじめる
「雑魚のくせにいきがりやがって、にしても何がどうなってるんだ。さっきのアイツから何か聞き出せればよかったが……」
「甘いな」
「は?」
――ドスッ
声のした方向に振り向こうとした瞬間背中に何かが突き刺さり、そのまま横に引かれ背中を切られる。と同時に足が言うことを聞かなくなり崩れ落ちる。
「せっかく生き残るチャンスをあげたんだから、生かせよまったく」
「なんで生きてやがる!?確実に致命傷だろうが!?」
「馬鹿か?貴様を呼んだのは俺だぞ?多少のことじゃ死なないし、逆にお前を殺せる自信があったからここに召喚したんだろうが。それに切られたところから血が出てないのも気づけよ。それに気が付けば俺を警戒したんだろうがな」
実際あいつが切るのに合わせてその近辺だけを水に変えて切られたふりをしてただけだしな
「ただ召喚して殺すじゃ芸がないからお前が俺を警戒して逃げるんならほかのやつに変えてもいいかなと思ってたんだが、まあみごとに油断しちゃって、おかげで簡単に殺せるからよしとするか」
「それに何をした!?俺の脚が動かないのはどんなことをしやがった」
「それ?ただ背骨と脊髄を一緒に切っただけだ。ただの下半身不全だな。まあいくら知っても冥土の土産にしかならんのだがな。じゃあそろそろ死のうか」
大剣を構え、首をめがけて振るう
「まっ――」
――零は中位剣術、獣化(狼)、|狂化<バーサーカー>をラーニングした
能力については後で確認するとして獣化で次の国まで急ぐか。




