15話
『ならばそのくらいの助力はしてやろうの。じゃがどうするつもりじゃ?』
『そりゃあ――『やっぱり聞くのはやめておこう』――どうした?何か悪い物でも食ったのか?』
『いやただ単にここで聞くよりはドキドキしながら見るほうが楽しいとおもっての』
『自分の欲望に忠実だな……』
『そりゃあの。神なんか楽しみがないとやってられないわい』
『そんなに神は退屈なのか?』
『そりゃあそうじゃろう?わしらがすぐに直接手を出すわけにはいかないんじゃし?できることといえば注意するくらいじゃし。いつも世界を見つめるだけじゃそのうち何もしたくなくなるぞ?じゃから自分が好きなところを多くみるようになるんじゃ。その結果皆自分の趣味に走るじゃろう。それに今回のはかなりのレベルで干渉しても大丈夫じゃから皆いつもより趣味に走ってしまうのは仕方ないことじゃろう』
『神も大変なんだな』
『はじめの頃は楽しいんじゃよ。まさにシュミレーションゲーム見たいでの。そして世界が安定し始めるとできる限りその世界の住民だけで問題を解決させないといけないからの。というかその世界の理がわしらの干渉を拒むんじゃよ。それから先がわしらの退屈なんじゃよ』
『そうか。まあいい。早く教えろ』
『ほいほい』
零の眼の前に淡く光る蛍みたいな光が現れる
『その光についていけばいいはずじゃ』
光がゆらゆらと揺れながらゆっくりと移動し始める。移動速度は人が歩くのとほとんど同じくらいの速度だが道順が決められているからだろうか?以外に素早く感じる
さてどんな奴が待っているのか。あまり頭がいい奴じゃないといいんだがな。それと不審な点をどうやってごまかすかそこがキモだな
*
「む?貴様何のようだ!?」
爺が教えてくれた先にいたのは2メートル近い大男だった。それも明らかに軍人のような恰好で迷彩柄のタンクトップとズボンを着ている
100人って若者だけじゃなかったのか?そんなことを言っていたような気がするがだが明らかにこいつにあの光がひっついてるからなあってるんだろう
「神の爺に紹介されてこっちに来たんだがお前もクエスト中の奴でいいのか?」
「確かにクエストを神からうけてはいるがなんのようだ」
軍人特有っぽいにらみをきかせながらこちらに警戒心を解くことなく、常に挙動に注目している
「ちょっと取引をしたいと思ってるんだ」
「いまは時間がおしい本当に取引したいのなら率直に言え」
「率直に言えば組まないか?ということだ」
「組んだところで意味がない。獲物は一人だ。そして倒した奴しか報酬を手に入れられないというのが普通に考えれる条件だ。それを考えてもお前と組む価値があるのか?」
「まあ一つは組んだ場合はどっちが報酬を受け取るか選ぶことができる。後は組んだほうがほかの奴らより有利になれる。そして俺はクエストの報酬じゃないものがほしいからだこれで納得したか?」
「だがそうなっても貴様が契約を守るとは限らないだろが」
「それなら大丈夫だ。神が今も見ている、そして取引を神が仲介する形にすれば俺が裏切っても俺ではなくお前に報酬がいくだろう。報酬も渡すのも神だからな」
「それで?報酬はどっちがもらい。どういう条件で契約するんだ?それ次第ではいいだろう」
「報酬はお前が、俺にはアイツのとどめをが最低条件だ」
そこまで軍人の顔はよかったが怪訝な顔をする
「なぜとどめにこだわる?それは聞いておかないといけないな」
チッ……やっぱりそこを聞くかさてどうやってかわすかな。やはり復讐ってのりが一番だろうな
「知り合いを殺した奴に似ているからだ。本人かは知らないがそれでも復讐の対象である可能性があることには変わりない」
「それが本当どうかはわからんがあいつは一つの町をつぶしている可能性はあるだろうな……よしわかった。取引をすることにしよう。短い間だろうがよろしく頼む」
「ああよろしく。俺の名前は零だ」
握手するために手を差し出す
「私のことは少佐とでも呼んでくれ」