13話
「だいぶ理解していると思うが確認してもいいか?」
「ええどうぞ」
トレントの仮面を貼り付けたような笑顔が更に楽しそうに歪む
「俺には金を、ギルドには名声をってことであってるか?」
「ええ、そうですよ」
トレントが手を頭の上で、いかにもよくできましたってからかうように拍手をする
「俺は確かに名声という物よりも現金っていう即物的な方が好きだが、名声があれば金になる話が来る可能性が高いがそれに対しての保障は?」
「貴方のような賢明な方でよかったですよ。その件については此処にいる間は私から直接貴方に紹介することができますよ」
「此処でだけか?他のところに行った場合はどうなる?」
「やっぱり気づきましたか。大抵の冒険者は褒められて気づかないものなんですがね?いやはや本当に賢いお方で。他のギルマスにも話は通しますが実力を示さないと流石にあまりまわしてくれませんねぇ。つまり紹介状は書きますがその後は貴方しだいです。まあこのギルドにいる間は私めが責任を持って紹介します。これでどうでしょう?」
他のギルドに行った時はそのギルドが抱えている厄介なクエストをクリアし、ギルドの名声を高める行為をしなければいけないということか……まあそれは気づかないフリをして、相手にそこまで賢くないと思わせておくか。あとは報酬関係で多少ごねてと言って金という信頼関係の中なら信頼できると思わせておくのが一番だろう
「報酬がどのくらい上がるかによるな。これだけ俺は条件を下げているるんだならそっちはこっちの誠意に答えて報酬をあげるべきだろう?」
「いやはやまさかこの話を報酬を上げるために使うとはお金がすきなんですね。ならこちらも出来る限りあげさせていただくのでこのようなことがあればまた名声を売っていただけるとありがたいですね」
「もっとも腐れがない関係だからな。金は」
「気が合いますねぇ。私も関係はお金が一番だと考えてますよ。ああそれと私が出世できれば今まで以上に高待遇にできますので今度ともよろしくお願いしますねぇ」
「報酬はここでもらうのか?それとも受付でもらうのか?」
「此処で渡そう。金が足りないと思ったらすぐに言えますからねぇ。貴方もそちらの方が都合がいいでしょう?」
「分かった」
そうして零はギルドを後にする
*
「何か隠していそうなひとでしたねぇ。しかし金によってはこちらの駒とすることもできそうですし、今回はあまり突っ込んでおかないでおきましょう。それにああいう人の方が信用できますし、このまま私の手中に来ればいいんですけどねぇ」
あとは今回の実績を上に報告して、出世のための足がかりになればいいんですけどねぇ
次来るときは確実に出世できるようなのを頼みますよ……
*
ギルドの実態はSランクからは全員がどこかのギルマスの手足と考えた方がいいか。しかしよく考えてるな。Aまではすぐに受けれるようにしてすぐに戦力になる奴を選別する。ついでにギルドカードで大体の実力がわかるようになる。そして職員に異常な魔物を倒した奴は私が相手をすると言ってすぐに連れてこさせてお金と優遇という餌で釣り、自分の駒へと作り変えるという風なことをしているのか……ついでに紹介状は使い潰すようにお願いする可能性も出てくるから、ギルドからも離れられないようにする。そして最悪冒険者が出来ない状態に追い詰めることもできるその権力を使っているということか……
此処のギルドが特別悪いってことはなさそうだが他のギルドのギルマスも少し確認すれば俺の考えがあっているかわかるだろう
金も結構もらったし色々と買い込むか
『今たのしいことになっておるぞ』
『いきなり出てくるな爺』
『まあ聞きなさいな。じつはじゃな?3人討伐完了したんじゃ』
討伐?なんのことだ……もしかして――
『暴走者のことか?』
『そうじゃ。お主が戦わないと言うからの戦っている奴らを見ておったわけじゃが、現在の状況は、暴走者にやられたのが10人ほどそして現在逃走中の暴走者が2人というわけじゃ』
『もしかして俺の近くの暴走者がこっちの方に逃走してきているってオチじゃねえだろうな?』
『よくわかったの?その通りじゃ。ということでわしはお主が巻き込まれることをワクテカしながら待っておるからの』
能力で説明されていないことについてここで微妙に触れていきたいと思いますわ
能力は基本的に下位<中位<上位<<(越えられない壁)<<加護という順番ですが使う人によっては下位=<中位=<上位<<(越えられない壁)<<加護になります
なので能力は基本的に才能ととらえてください。が能力と言うだけあってこの能力がないと絶対にできないことも存在します。加護だけは特別でこれは能力の使い方、強さがはじめからMAXという扱いです。