12話
火曜日は投稿できなくてすみません
「今日倒すの30ぐらいのはずだったのにな。なんでこんなに疲れきって帰ってきてるんだ……」
門番が武器を構えて
「止まれ!?なんだそのいかにも『私は盗賊です』とアピールしているような服装は!?」
「予想外の敵の数にてこづりまして」
「ということは今日この街から出て行った冒険者の1人か?」
「そうだが?ギルドカードもあるし、はやく街の中で服を買いたいので早く済ませてくれないか?」
「ああ……確認した通ってもいいぞ」
*
「おい今日行った初心者っぽいソロの奴が生きて帰ってきたぞ」
「なん……だと……つまりお金持ちの中でも訓練してきた結構真っ当なやつだったのか?」
「いや待てキット逃げて帰ってきたんだよ」
「もしくは誰かに助けてもらったんだな」
「そうとしか考えられんな」
「なんだそういうことか」
門番として零と接していた奴とそれをネタにして話していた兵士は皆納得する
*
まずはギルドで報酬もらうか。ところで俺いったい何体倒したんだ?はじめに100はいたと思うがその後何体召喚されていたんだろうな……おおすぎてもそこまで目立たないだろう。所詮ゴキブリだし
3回目だと流石にちら見程度か……というかちょっと待て?話かけられないってことは俺戦力外通知受けているってことなのか?そうなのか!?
考えても仕方がないので受付に……
「クエストの確認をたのむ」
「確認ですね。こちらにギルドカードをお願いします」
「はいはいっと。これでいいか?」
「はい、今確認し……」
現実ではじめてみた人が凍りつく瞬間を……
「ギルドマスターの方へ行ってもらえますか?」
「服などを買いたいのではやく報酬が欲しいのですが?」
これはなんか厄介ごとの雰囲気しかねえわ。これはさっさと逃げるに限るな
「すぐに済みますし、それにこちらでは判断不能のこともありますから行ってきてください」
「こんな格好では失礼になるだろうから出直してくる」
「いちいち服装を気にしていたらギルマスなんてやってられませんのでそのままでも大丈夫です」
何か逃げる手段は……というか何がギルマスを呼ぶことになるほどのことになったんだ?ゴキブリの数ではないだろうし……まさかゴブリン・シャーマン(仮)のせいか?というかやばいこいつのこと忘れてた……あいつがランクが高かったってオチなのか!?所詮ゴキブリの一種に過ぎないのに!?そうなのか!?
「わかりました。行けばいいんでしょ行けば」
「では私の後について来て下さい」
さてあいつが厄介な魔物ってのは確定だろうな。召喚を使っていたことから、存在に気づいたときにはゴキブリの大群がいる。そしてあいつを倒さないと根本的な解決にはならない。つまり大規模な戦闘になっていた可能性が高い。固体は強くないが集団としての強さ、そして召喚が何体出来るかわからんが多分ほぼ無限の増殖による被害が大きいんだろうな。つまりソロであいつを狩るには幸運か、もしくは最低でも数百のゴキブリを圧倒できる実力がないといけないわけか……そりゃあギルマスに呼ばれるわ……幸運の方で切り抜けたいが倒した数がギルドカードに記録されているから不可能だろうな。あまり目立ちたくなかったんだがな……
扉の前に着くと
「この前でしばらくお待ちください」
「ああ」
*
「ではお入りください」
「ようこそ。私がここのギルドマスターのトレントだ。今回此処に君を呼んだのは君が倒した魔物のゴブリンサモナーについてだ。もちろん君もゴブリンサモナーについては知っているだろう?」
「能力しかしらん」
「ほう?つまり今回のことは名を上げるためではなく偶然倒してしまったと言うことかな?どっちにしろ君のような将来有望な人には一度はここいとおすことになっていただろうが」
「今回は偶然戦った中にいただけだ」
「そうだとしてもこの戦果を見る限り狙ってでもできそうだがな?それに今回は君の手柄で戦力を使わずに解決でき、しかも被害を未然に防げたとこは評価に値する。報酬は弾もう」
報酬は出すといっているがその後何を言われるか分かったものではないな。さて今回は手柄を譲るという形にして俺の存在はあまり目立たない状態にし、同時にギルドへ恩を売れれば最高なんだがな……あまりにこっちが悪い条件で譲ると裏を読まれる可能性がある。報酬を上乗せし、そして俺の功績ではなくギルドの功績とする。同時に俺は名声よりも金を選ぶ者だと誤認させ今後もこのような取引をさせることでしばらくの間は目立たずに行動することができるか?
「でそちらの要求はなんだ?」
「聡明な君なら分かると思いますが?」
あからさまにこちらの器を量ろうとしているな。なら俺の行動は――