10話
ゴブリンか……にしてもこの冊子に書いてる説明って……
――ゴブリン
繁殖力が高く、戦闘力もたいしたことはないが数が多いので奇襲などに気をつける。1匹見たら30匹はいると思え
1匹見たら30匹はいると思えってゴキブリか?って思うよな。よしこれからはゴブリンはGと呼ぶことにしておこう。いやいっそのことゴキブリでもいいか?これは悩みどころだ
とまあそんなことを考えながら南の森の方へ行くために門を通ったんだが周りの奴らが可哀想な目線で見てくるわけよ?なんでだ?
*
武器はまあいいですけどあんな服装で魔物退治に行くなんて自殺行為に等しいですね。最低限の防具もつけてないのに服の良さがちぐはぐ過ぎます。大方貴族かお金持ちの商人が道楽ではじめたのでしょう。周りの冒険者達も皆彼が冒険者と言う職業をなめているということに対して憤りを感じているでしょうが、それ以上に今回で死ぬか死ぬような目にあってしまうことが可哀想なんでしょうね。私には関係のないことですが
「本日はどうゆう用事で外へ?」
「ゴブリンの討伐クエストを受けている。そのためだ」
ゴブリンって……確かに一体一体は弱いですが複数を同時に相手するか一体を素早く倒せないとすぐにやられてしまうから普通はパーティーでするクエストなのに……
「ゴブリンを1人で?」
「そのとおりだが?」
ああ知らないんだ。普通ならクエストをソロでやる人なんて広範囲殲滅のできる能力を持っているか、魔法と近接の能力を持っている一部の希少な人達だけなのに……
「まあ気をつけて逝くんだな」
門番さん頑張ってー!!他の人が忠告するはずないし、というか他の人は「ざまあ」とか「貴族は皆死ね」とか思ってるだろうし、どうしよう……諦めるしかないか……逝ってらっしゃい……
*
「なんか文字が違った気もするが気のせいだろう」
さてとまずは能力なしで殺して、そのあとで能力の効果的な使い方の練習をしないとな。
ゴキブリはどこにでもいるような奴だしな森に入ればすぐにいるだろうじゃあ何体殺すかが問題だな報酬的には30体は倒したいがどれだけとりあえず40を目標でそのうちの半分は能力なしで残りは能力ありで倒すか
「森の中の戦闘か武器の選択ミスったか?大剣じゃあ木にぶつかりそうだな。ダガーを中心に戦闘をするべきか?いや狭いところでも振れるように練習もしておくべきだな」
前方に目標発見。これは緑色の肌、子供位の背丈、ボロ布を着ている。そして特徴的な鼻。すごいRPGでよく見るゴキブリでした
零は周囲を見渡し、大剣を抜刀し、ゴキブリにむけて走り出す。上段から下段に放った斬撃をゴキブリは避ける
――ガツン
音が当たりにむなしく響きわたる
「あっ……やばいこんな音させたら……近くにいるゴキブリが全部集まってしまうじゃないか!!集団戦は望んでいるが2回に分けて戦いたかったのに……仕方ない集まるまで殺して待つか……」
ゴキブリが棍棒を振り回しながら突撃してくる。それを避け、カウンターの要領で切るが棍棒にあたり棍棒を壊しただけで終わる。
棍棒を壊したところで更に追撃をし、今度こそ頭の先から股まで一刀両断にする
――零は下位棍棒術をラーニングした
近くに見つけた石の上に座りゴキブリの集合を待つ。
「来るのは30匹程度だろう。多くても40ぐらいだろうし、集団戦の訓練にはなるが能力の使い始めが分かりにくくなったな仕方ないやばいと思ったらでいいか……」
周りの茂みなどから金属音や足音が聞こえ始める
「ようやく来たか」
零は大検を抜刀し、ゴキブリの襲撃に備えたが――
茂みから顔を出したのは約100匹ほどにもなるゴキブリの団体様でした
ということで次回無双??