第96話『七つの光柱』
七大悪魔編突入!!
夜明け。
エルフの森の奥、アークの新本拠地。
鳥の声とともに、穏やかな光が差し込む。
1.考え事
カイルは、森の高台から地平を見つめていた。
静かに息を吸い、手のひらに光を集める。
――だが、その光は一瞬、**“黒く反転”**した。
エルシアが歩み寄る。
エルシア:「....また、何か感じたのね?」
カイルは頷く。
カイル:「昨日の夜.....空の向こうで、“時間”が止まった。」
イル:「え?時間が止まるって、どういうこと?」
カイル:「わからねぇ。でも....あれは“神の干渉”じゃない。もっと....歪んだものだ。」
静寂。
そして、森の奥から駆け込んでくる影。
それは、ナイルだった。
ナイル:「カイルッ!!!コマディク国の中央都市が――!」
エルシア:「どうしたの?」
ナイル:「――“七つの光柱”が立ったんだ!全部違う瘴気を放って......まるで、何かを封じていた封印が解かれたような.......!」
カイル:「......七つの光柱、か。」
ラミエル:「嫌な予感しかしない。」
カイル:「ああ。行こう、コマディク国へ。」
2.コマディク国・中央都市
広大な白石の街に、七色の光が夜空を貫いていた。
その中心――最大の冒険者ギルド・キング。
アークのメンバーはその重厚な扉をくぐった。
カイル:「ここが......地上最大のギルド、キング。」
エルシア:「すごい.......圧が違うわね。」
ラミエル:「さすが本部クラスね。」
中には、筋骨隆々の男が腕を組んで待っていた。
ギルドマスターのドレイク。
ドレイク:「よく来たな、アークの若造ども。七つの光柱の件か?」
カイル:「はい。何か知っているんですか?」
ドレイク:「ああ。“七大悪魔”だ。」
その場が静まり返る。
ラミエル:「......“悪魔”? まさか、神創成組織と関係が!?」
ドレイクが少し驚いた顔で言う。
ドレイク:「おい!テンペストって大声で言うんじゃねぇ........まだ一般には公開されてないんだ......」
ラミエル:「あ........ごめんなさい.......」
ドレイク:「話に戻るけど.......関係してるどころじゃねぇ。あいつらは、テンペストが封印してきた“悪王の一人”――《時間の悪魔》を守護する連中だ。」
カイル:「クロノ......時間DNA.......!」
ドレイク:「そうだ。テンペストの裏に存在する、もう一つの宗派《七大教団グリモリア》。やつ らは“時間”を支配し、神を越える存在を生み出そうとしてる......しかも、封印を解くために “七つの悪魔”を使いやがった。」
エルシア:「七大悪魔........?」
ドレイク:「傲慢、憤怒、暴食、強欲、色欲、嫉妬、怠惰。 それぞれが罪を象徴する存在だ。一体倒すごとに、封印が一段階ずつ解除されるらし い。」
カイル:「七体すべてを倒せば――“時間の悪魔”が復活する......」
沈黙。
風の音が、緊張を切り裂いた。
カイル:《つまり、俺の前世の力を、あいつらが封印してるってことか。》
ドレイク:「........倒すには、“七大悪魔”を倒すしかねぇ。」
3.ギルド中庭
アークの面々が円になって集まる。
カイルが、手の中に光の紋章を浮かべる。
カイル:「七大悪魔......七つのダンジョン。行くしかねぇ。全部倒して、時間DNAを取り戻す。」
エルシア:「でも、七つ全部........」
ナイル:「やるしかねぇだろ。どうせ面倒ごとは全部俺たちの役目だ。」
エリック:「ははっ、じゃあまた暴れるか!」
ラミエル:「......また長い戦いになりそうね。」
カイル:「それでも――行く価値はある。」
その瞬間だった――
ドォォン――!!
重く響く爆音。
外の広場がまるで地震のように揺れた。
ドレイク:「なっ........なんだ!?」
イル:「言ったでしょ。厄介ごとが来るって。」
カイル:「全員、外へ!」
4.ギルド前・広場
爆炎が街を包んでいた。
空気が焼け、DNA力の残滓が漂う。
その中心に、黒いフードを深くかぶった影が立っていた。
カイル:「......誰だ!」
返答はない。
ただ、敵の足元に魔法陣が浮かぶ――
円環を描く術式、その緻密な線。
雷だった。
カイル:《この術式.....どこかで――》
イル:「行くよ、カイル!」
カイル:「ああ!」
二人が同時に踏み込む。
カイル&イル:「コーデックス........解放!!」
コーデックスが開かれる。
閃光が交差し、爆音が響く。
だが――カイルの一撃は空を切った。
敵影は一瞬で背後に回る。
まるで時間を巻き戻したような速さ。
カイル:「ッ!?」
その瞬間、黒いフードの人物が右手を掲げた。
掌に宿るのは“黄金の光核”。
――“神覇”級のエネルギーだ。
ラミエル:「カイル!下がって!」
カイル:「いや......待て、あれは――!!」
ズガァァァァン!!
雷の衝撃波がギルドを飲み込み、地面をえぐる。
土煙が晴れると、そこには誰もいなかった。
イル:「.....逃げたか。」
ナイル:「あのDNA力.......ただ者じゃねぇ。」
エルシア:「カイル、どうしたの?顔色が悪いよ。」
カイル:「.....今の奴の構え....呼吸のリズム......今でも覚えてる――あれは.......いやまさかな......」
沈黙。
イル:「どうしたの?言ってよ.....。」
カイル:「いや、違う。姿も声も違った。だけど.....“技”が、完全に一致してた。」
ラミエル:「だから!誰に!!」
カイル:「俺の.....師匠........」
「「はぁ!?」」
エリック:「ただ........術式とか技が同じじゃなくて?」
カイル:「あぁ.........いや。あれは、“本物”だ。」
ラミエルが尋ねる。
ラミエル:「てか.........師匠いたんだ.........」
カイル:「あぁ......俺を強くしてくれた人.....」
カイルは、焦げた地面に残る術式の痕を見つめる。
その魔法陣の中心には、見覚えのある刻印が刻まれていた。
カイル:「.......師匠.......なんで.......。」
5.夜・ギルド屋上
カイルは一人、手のひらの焦げ跡を見つめていた。
イルが後ろから来る。
イル:「........まだ考えてんの?」
カイル:「ああ。あの刻印、間違いない。師匠が.......七大悪魔の何かに、関わってる。」
イル:「でも、まだ確証はないでしょ?」
カイル:「そうだな。でも.......確かに感じた。あれは“戦う意思”じゃなかった。まるで....“誰 かに操られてる”ような――」
風が吹く。
七つの星が夜空に瞬く。
カイル:《......師匠.........あんたが今どこにいても、必ず......助ける。》
カイルは、首飾りをぎゅっと握った。
次回――
七大悪魔編が始まって、ゲキゲキ急展開!?
まさかの師匠が関与しているのか!?
カイルたちは、新たな戦いの地へ足を踏み入れる――!!




