第90話『双星の創痕』
爆裂する虚空。
黒と金の光がぶつかり、世界の“端”が音を立てて割れていく。
1.宇宙との同調
零式の波動が走るたび、空間が削がれ、現実が塗り潰される。
イル:「カイル! もう長くはもたない.....!」
カイル:「わかってる.......でも、あれを倒さなきゃ、この世界ごと“消える”!」
タルタロスは深淵の鎧に包まれ、
その身から放たれる一撃で、数億の粒子が消滅する。
タルタロス:「“零”とは――秩序の帰着だ。お前たちの創造など、無意味に過ぎん。」
イル:「だったら......その秩序ごとぶっ壊す!!」
イルが金の陣を展開する。
しかし次の瞬間、“無”が陣を呑み込んだ。
カイル:「.....イルッ!!」
イルの身体が弾かれ、彼の錬金装甲が砕け散る。
金属の羽が虚空に消えた。
イル:「ぐ......はっ.......クソ........!!!」
カイル:「イル、もう休め!!後は俺がやる!!」
イル:「いや.......カイルがやるなら.......“一緒”にやる!!!」
イルは、震える腕で、再び錬金陣を描く。
円陣の線が途切れかけながらも、カイルの足元へと繋がっていく。
イル:「この陣、宇宙と繋げて.......カイルの“宇宙DNA”で呼び覚ませ.......」
カイル:「宇宙と.....同調......?」
その瞬間、カイルの瞳に星々が映った。
視界が、銀河のように広がる。
カイル:「......見える.......無数の“世界”が……!」
彼の背から光の輪が展開し、天の星々が旋回を始めた。
タルタロス:「馬鹿な........この空間で“宇宙”を展開するだと!?」
イル:「行って......カイル!! “創造の理”を越えて!!」
カイルは両手を前に突き出した。
カイル:「やるぞ.....ブラフマー!!」
ブラフマー:「あぁ!!!」
全身から“銀白の粒子”が溢れ出す。
カイル:「宇宙融合モード ブラフマーッ!!!」
空間が“ねじれる”。
2.カイルの宇宙
星が落ち、銀河が弾け、
その全てがカイルの周囲に集束していく。
イル:「す.......すごい......マジで宇宙作ってる.......」
カイル:「“錬金”は創造、“宇宙”は存在。なら、合わせれば――“世界そのもの”を創り変えられる!!」
タルタロス:「くだらぬ理想をッ!!」
タルタロスが“零”の拳を振り下ろす。
しかし、その拳は“止まった”。
空間そのものが、固定されている。
タルタロス:「な......動けん....!?」
カイル:「“宇宙の支配者”……悪いが、ここは.......俺の宇宙だ。」
銀河が渦を巻き、イルの金陣と繋がる。
金と銀が交わり、“双星”が誕生する。
カイル:「究極・宇宙+........」
イル:「究極・錬金DNA!!!」
カイル&イル:「異系統二重詠唱.........双星の創痕ッ!!」
二人の拳が、完全に同調した。
一撃が放たれた瞬間――
タルタロスの体が、空間ごと引き裂かれた。
タルタロス:「.....あり得ぬ......“零”が、“創”に......喰われる......?」
カイル:「ああ.......“無”も、“存在”も......同じだ。創って、壊して、また創る――それが、俺たちの理だ!!」
タルタロスが膝をつく。
深淵の鎧が剥がれ落ち、光が漏れ始めた。
イル:「.......勝ったの......?」
カイル:「いや......まだ、終わってねぇ。」
タルタロス:「......見事だ。だが、これで終わりではない。我らの“宇宙”を.......見せてやろう......!!」
――虚空に、銀と金の光がゆっくりと溶けていく。
次回――
タルタロス、最後の命を削り“神覇”を解放。
その代償に、彼自身が“神の楔”と化す――。




