第82話『反逆の焔と雷』
1.隙
虚界は崩壊を続けていた。
重力も、時間も、空間も、バラバラにちぎれ、漂っている。
カオス:「抗っても無駄だ。秩序は、私の掌の上にある。」
エリック:「.......だったら、その掌ごと焼き切るまでだろうが!!」
紅蓮の炎が再び咆哮する。
だがその炎は、カオスに届く寸前で止まり、空気の中に溶けた。
カオス:「“無秩序DNA”が生む制約。貴様らの攻撃は、私の意志で“因果”を書き換えられ る。」
――その瞬間。
ナイルの瞳が、わずかに光を捉えた。
ナイル:「.......待て。今の......爆発したとき、カオスが.....少しだけ動いた......?」
エリック:「.....ああ? 見間違いじゃねぇのか?」
ナイル:「いや、違う。攻撃の”核”が届いてた。ほんの一瞬だけど.......“反映”が遅れた。」
風が止まり、雷が震えた。
ナイルはゆっくりと目を細める。
ナイル:「........もしかしたら......。“無秩序DNA”ってのは、完全じゃない。“秩序の外”にある がゆえに――“限界”がある。」
カオス:「.......何?」
ナイル:「エリック!!もう一度だ!!今度は、全力でいけ!!!」
エリック:「おいおい、無茶言うな.......!だけど.....わかった。どうせ死ぬなら、派手に燃え尽きてやる!!」
ナイル:「......お前は炎の極限を。俺は、“神速”で空間を切り裂く!!」
紅蓮が咆哮し、雷が唸る。
2.無秩序の限界
エリック:「究極・火DNA.......紅蓮炎覇!!」
ナイル:「究極・雷DNA.......神雷一彪!!」
炎と雷が交錯し、虚界を白で埋め尽くした。
その瞬間――カオスの身体が、ほんのわずかに裂けた。
カオス:「.....なに....?秩序反転が、遅れた......?」
ナイル:「やっぱりな.......!“無秩序DNA”は、あまりにも大きすぎる力や疾さには、対応が 間に合わねぇ!!」
エリック:「……つまり、力で押し切れるってことか!!!」
ナイル:「.......いや、もう限界だ……この出力、もう一度なんて.....無理だ......!!」
エリック:「.....チッ......なら、限界を超えるしかねぇな......!!」
炎と雷が同時に弾けた。
二人の身体が砕けるように光り、精霊たちの声が響く。
雷狼:「....ナイル......お前の魂、まだ折れてないな。」
ファイア・ドラゴン:「エリック........燃やし尽くせ、最後の一瞬まで。」
ナイル:「.......ああ......行くぞ、相棒。」
エリック:「ああ......一緒に燃え尽きるぞ!!相棒ぉぉ!!」
雷と炎が交わり、空間が震える。
――その瞬間。
紅蓮の竜が咆哮し、雷の狼が天に吠えた。
3.DNAの進化
炎が帝冠を纏い、雷が牙を輝かせる。
《火DNA→紅蓮帝DNA》
《雷DNA→雷狼天DNA》
カオス:「.......なに......だと......!?進化.....!?ありえん!!!人間如きが!!」
エリック:「燃えろ、魂の限界を超えて!!」
ナイル:「疾れ、光よりも速く!!」
紅蓮帝と雷狼天が、無秩序の空間を貫いた。
秩序が反転し、虚界が崩壊していく。
カオス:「馬鹿な........!この私の“秩序”が......崩れていく.......!?」
エリック:「違ぇよ.......それはお前の“秩序”じゃねぇ.....!」
ナイル:「.....俺たちの.....“秩序”だ!!!」
紅蓮の爆炎と蒼雷の閃光が、虚界を完全に飲み込んだ。
次回――
エリックとナイルは、限界を超えて進化する。
そして――“真なる秩序の再構築”が始まる。




