第81話『秩序崩壊の空間』
1.世界の裏返り
――轟音。
天地が裂け、空が反転する。
黒の虚界。
そこに立つカオスの背後で、数百もの鏡面が回転していた。
ひとつひとつが異なる現実を映し、
カオス:「神DNAはな......新たなDNAを創り出すことができる......」
ナイル:「新たな......?」
そこには、エリックとナイルが何度も死ぬ光景が映っている。
カオス:「無秩序DNA――それは“世界の法則を壊す遺伝子”。 神が創った秩序の檻を、私は否定する。つまり――私は、この世界そのものより“上位”の 存在だ。」
ナイル:「......神を否定して、自分が神気取りか.....!」
カオス:「違う。神を超えた“矛盾”だ.......これが......こいつの力.....!!」
右手を掲げると、鏡が音もなく割れ、空間に溶け込む。
カオス:「無秩序DNA.......逆流.....」
瞬間、ナイルの周囲の“雷”が逆流した。
ナイル:「ぐっ......!?俺の.....雷が.....!」
雷は逆向きに走り、ナイルの腕に巻きついていく。
カオス:「雷は“自然秩序”に従う。だが、今この空間では―― その“秩序”は、私の支配下にある。」
エリック:「.........つまり、てめぇの思い通りってことか.....!」
カオス:「理解が早い.........」
カオスが指を鳴らす。
瞬間、エリックの炎が爆発し、逆流し、背中を焼いた。
エリック:「ぐああああッ!」
ナイル:「エリック!!」
2.反転する因果
カオス:「この世界では、攻撃は原因ではなく“結果”となる。
貴様らが戦えば戦うほど、その“結果”が自分を蝕む。」
エリック:「上等だよ......!!この程度で止まる俺たちじゃねぇ!!」
両腕に紅蓮の炎を集中させ、再び突撃。
――だが、炎がカオスに届く前に、空間の法則が再構築される。
カオス:「“上位存在”への攻撃権限――無秩序DNA......無効化」
その瞬間、炎が“停止”した。
炎の粒子が空中に固定され、静止したまま時間が止まる。
まるで宇宙の一点が凍結したようだった。
カオス:「これが“神格秩序の書き換え”――無秩序DNAの特性だ。」
ナイル:「クソッ......!じゃあ、どうやって勝てってんだよ!!」
3.逆境の中の火花
だが、ナイルは諦めていなかった。
雷を纏い、無理やり空間の法則を“逆流”させようとする。
ナイル:「......だったら、てめぇの秩序ごと、ブチ壊すだけだ!」
雷が四方八方に迸り、空間をひび割れさせた。
エリックも同時に吠える。
エリック:「燃えろ......燃え尽きろ....紅蓮を超える炎ッ!!」
彼の足下が焦げ付き、黒炎が噴き出す。
その炎は、空間に“色”を取り戻していった。
カオス:「......ほう。“秩序崩壊”に抗う炎か。面白い。」
カオスの手のひらに、黒い球体が浮かぶ。
カオス:「無秩序DNA.......展開」
球体が弾けると、空間そのものが再構築を拒否した。
壁も天井も概念も溶け落ち、ただ“存在の断片”だけが残る。
4.混沌の咆哮
その瞬間、全ての“境界”が消えた。
上も下も、前も後ろも存在しない。
カオス:「貴様らは、いま“存在の定義”を失った。名も、肉体も、魂も――私の“秩序”の下に ある。」
ナイル:「.....俺たちの存在を、消す気かよ....!」
カオス:「消すのではない。“編成”する。お前たちは、“神の秩序を壊した者”として、私の兵に組み込む。」
エリック:「――ざけんなッ!!」
炎が爆ぜる。
それでも、炎は黒に染まりながらも、カオスの胸を焼いた。
カオス:「....ほう、反逆の炎か。ならば、見せてみろ――貴様らの“覚悟”を。」
虚界が崩れ落ちる。
黒と紅の閃光が、すべてを呑み込んだ――。
次回――
「秩序を壊すなら、俺たちの“魂”で壊す」
エリックとナイル、限界の進化が始まる。
――火DNA、雷DNA、覚醒。




