第66話『宇宙への旅立ち』
1. 出発前夜
エルフの集落、長老・サムエルの館。
灯火がゆらめく中、カイルたちとエルシア、エルフの戦士たちが集まっていた。
サムエル:「.......いよいよ、神・宇宙の地へ赴くのか」
ラミエル:「うん。でも、そこにはカイルの“力”が眠ってるんでしょ?」
カイル:「あぁ........必ず、取り戻す」
静かに俯いていたエルシアが立ち上がる。
エルシア:「私も行くわ。.......怖いけれど、逃げてばかりじゃ、長の名が廃る」
ナイル:「お前......戦いたくないって言ってなかったか?」
エルシア:「戦うのは嫌。でも.......守るためなら、違う。......あなたたちを助けたい」
その言葉に、カイルは驚いた表情で彼女を見つめる。
カイル:「.........ありがとう。エルシアがいてくれるなら、心強い」
エルシアの頬がほんのり赤く染まる。
2. ヴィシュヌの遺産
翌日。集落の奥、苔むした巨木の根元。
そこには、青白い光を放つ古代の石碑があった。
サムエル:「これは、かつて維持神ヴィシュヌが残した“宇宙門”。選ばれし者のみが開ける ことができる」
エルシアは震える指で石碑に手を置く。
エルシア:「.....ゲートよ、今一度...力に応えろ....!」
石碑の文様が輝き、空間が裂けていく。
蒼い渦が天へ伸び、やがて巨大な“宇宙の門”が姿を現した。
ラミエル:「すご......これが神のゲート.......」
エリック:「ゾクッとするな.......」
カイル:《父さん......母さん.......。俺は、また一歩、真実に近づくんだ》
3. 出発
ゲートの前で、エルシアが振り返る。
エルシア:「........私は、長として失格かもしれない。臆病で、戦いも嫌いで......。でも、今だ けは違う」
カイル:「違わなくていいさ。怖いままでいい。――でも、共に進もう」
その言葉にエルシアは深く頷き、カイルの隣に並ぶ。
サムエル:「若き者たちよ......必ず帰れ。そして、“維持の神”の言葉を思い出せ――宇宙 は、お前たちを見守っている」
「「はい!」」
蒼光に包まれ、カイルたちは宇宙門の中へと飛び込む。
4. 新たなる舞台
一瞬で、星々の海に飛び込んだかのような感覚。
光と闇が交錯する空間を抜け、足元が確かな大地に変わる。
そこは――
漆黒の空に、無数の星が瞬く惑星。
地平線には、巨大な“鎖”に繋がれた影が見えた。
エルシア:「あれは.......」
カイル:「.......ブラフマー」
――大宇宙編、本格始動。
次回――
カイルはついにブラフマーと邂逅する。
そこで語られる、父の遺した記憶とは――。




