第65話『宇宙について』
エルシアがエルフの里を案内している最中、
それまで黙っていたサムエルが、ふと口を開いた。
サムエル:「カイル......お前は、なぜここへ来た?」
カイルは一瞬、歩みを止める。
カイル:「それは......俺の......元の力を取り戻しに.....」
サムエル:「元の力.......?」
カイルは少し躊躇した後、意を決したように口を開いた。
カイル:「あぁ......俺は.....転生者なんだ。それで今、前世の力を取り戻してる......」
その言葉を聞いても、サムエルは驚いた様子を見せなかった。
サムエル:「.......そうか」
カイル:「な.....なんで......そんなに冷静で......?」
サムエルは静かにカイルを見つめる。
サムエル:「お前を見れば.......なんとなく、わかったよ。それで.....お前の“元の力”というのは.....ブラフマー、かい?」
カイル:「な....なんでそれを.......!」
サムエル「ふっ.....エルフの勘は、よく当たるんじゃよ。ブラフマー様は今、“神・宇宙惑星”にいらっしゃる」
カイル:「神・宇宙惑星.......?」
サムエル:「ブラフマー様が創り上げた惑星じゃ。そして、そこで維持神・ヴィシュヌと、破壊神・シヴァを生み出した」
カイル:「そんな......すごい存在だったのか....ブラフマー......」
しばし沈黙の後、カイルは顔を上げる。
カイル:「どうやったら.......ブラフマーに会える?」
サムエルの表情が、わずかに曇った。
サムエル:「今は.......会えないかもしれん....」
カイル:「な......なんで.......!!」
サムエル:「今、ブラフマー様は、何者かの“鎖”によって囚われている.......維持神と破壊神の“架け橋”であったブラフマー様が動けなくなり.....ヴィシュヌとシヴァは、抗争を続けておる.....」
サムエル:「このままでは......異星も.....地球も.........終わる」
カイル:「そ.......そんな......」
だが、カイルはすぐに拳を握り、前を見据えた。
カイル:「なら.........俺たちが、その抗争を止める.......!!」
サムエル:「お前たちに..........止められるとでも?」
カイル:「止める.......俺の命に代えても.....!!!」
その眼差しに、迷いはなかった。
サムエルは、静かにうなずく。
サムエル:「.......よかろう。早速、準備じゃ。仲間にも伝えるのじゃ......」
サムエル:「――宇宙へ向かうとな」
次回――
ついに、神・宇宙惑星へ向かうこととなったカイルたち――。
神々の抗争、その中心へ。
覚悟を決めろ。




