第60話『決断』
1. 提出と報告
異星保護組織(DSO)本拠地、カザトロフ国。
戦闘後に帰還したカイルたちは、クーナの前に整列していた。
机の上には、討伐記録・破壊された研究所の残骸サンプル・錬金DNAに関する報告書。 クーナは淡々と資料に目を通す。
クーナ:「......よくやったな。だが......お前たちの力は、もはやDSOの管理下に収められる べきではない」
カイル:「......だからこそ、今日来ました」
カイルは深呼吸し、真っ直ぐクーナを見据える。
カイル:「俺たち.......DSOを抜けます」
室内に一瞬、重い沈黙が走った。
2. 意見表明
ラミエル:「私も.........カイルと同じ考えです。組織に縛られて戦うだけじゃなくて、自分の意思で未来を選びたい」
エリック:「俺もだ。正直........あんな化け物と戦って、まだ“命令待ち”なんてやってられねぇ」
ナイル:「......あぁ。EROもDSOも、結局は権力の奪い合いだ。俺は.......それに利用される気はない」
四人の声が重なり、室内の空気は一層張り詰める。
クーナは瞳を閉じ、深く息を吐いた。
クーナ:「........そうか。だが抜けるというのは、同時に“敵になる”覚悟を背負うことだぞ」
カイル:「覚悟は....できています」
カイルは拳を握りしめ、胸に誓った。
カイル:《もう二度と........誰かに支配されるために戦ったりしない》
3. イルの待機
その頃。
外、森の奥の小さな岩場に、イルは座っていた。
イル:「.......ほんとに、大丈夫なのかな........」
彼女の首元には、カイルが渡した球体の首飾りが淡く光っていた。
イル:「見つかったら........また捕まるかもしれないのに」
心配そうに唇を噛みながらも、イルはじっと待ち続ける。
4. クーナとの対話
クーナは椅子から立ち上がり、カイルの前に歩み寄る。
クーナ:「.........お前たちの目は、もう兵士のそれではないな。英雄の.......いや、“反逆者”の 目だ」
カイル:「........反逆者でもいい。俺たちは俺たちの未来を選ぶ」
クーナはしばし沈黙した後、小さく笑った。
クーナ:「フッ........良いだろう。だが、これだけは覚えておけ。世界は広い......お前たちが 見た“錬金惑星”すら、まだ入口に過ぎん」
クーナは背を向け、窓の外の夜空を見上げる。
そこには無数の星々が瞬き、広大な宇宙を示していた。
クーナ:「次にお前たちが立つ舞台は......計り知れない.....」
5. 別れ
報告を終え、部屋を出るカイルたち。
廊下を歩きながら、ラミエルがぽつりと呟く。
ラミエル:「......これで、本当に抜けちゃったんだね」
ナイル:「あぁ。でも不思議と......怖くない」
エリック:「むしろワクワクするぜ。俺たちだけの戦いが始まるってな」
カイルは静かに笑い、扉を開け放つ。
その先で待っていたのは――イルだった。
イル:「カイル!」
カイル:「待たせたな。.......もう行こう、俺たちの道へ」
夜風に吹かれながら、五人は歩き出した。
空の彼方で、星々がかすかに光を強める。
まるで、次なる戦いを予感させるかのように――。
次回――
こうしてカイルたちはDSOを去り、新たな旗を掲げる。
しかし、彼らの旅路は、すでに“神々”の領域へと踏み出していた。




