第51話『声』
1. 崩壊する戦場
大地はえぐれ、瓦礫は空に浮かび上がり、
重力そのものが歪んでいた。
ラミエル:「......こんなの.......もう戦場じゃない......」
ナイル:「下手すりゃ、星が割れるぞ........」
それでも、カイルは前へ出る。
氷の鎧を纏い、槍を握り直す。
カイル:「――イル! 聞こえるかッ!!」
2. ネメシスの暴走
黒炎と触手を振り回しながら、ネメシスは咆哮する。
ネメシス:「無駄だ......この器は、すでに我のもの.....」
その声の裏に、かすかな囁き。
イル:「..........カ..........イ......」
3. 心の奥へ
光と闇の激突の瞬間、
カイルの意識が引き込まれる。
目を開けると、そこは真っ暗な虚無の世界。
ただ一人、膝を抱えて座る少女がいた。
カイル:《......イル!》
振り返ったイルの瞳には涙が溜まっていた。
イル:《カイル....逃げてって言ったのに......》
カイル:《そんなの......どうでもいい!!》
イル:《カイル.......ごめん.....わたし、止められない.......ネメシスに、身も心も...奪われて......》
4. カイルの叫び
カイルは彼女に駆け寄り、手を差し伸べる。
カイル:《まだだ!!奪われてない!!お前はまだ“ここ”にいるッ!》
イル:《....わたしなんて......造られただけの命......母さんが、あなたの代わりに..........作っ ただけの.....》
カイルはイルの肩を掴み、強く言う。
カイル:《違う!“造られた命”でも、お前はお前だ!俺が.....救いたい仲間なんだ!!》
5. 心の震え
イルの瞳が大きく揺れる。
その瞬間、虚無の世界に光が差し込む。
イル:《......カイル....わたし..........》
小さな声で、必死に叫ぶ。
イル:《私として....イルとして......生きたい!!!》
6. 戦場に戻る
現実に引き戻されたカイルの耳に、
はっきりとイルの声が届く。
ネメシスの瞳が一瞬だけ、イル本来の色に戻った。
カイル:「......聞こえたぞ、イル.......!必ずお前を、取り戻す!!」
氷槍が再び輝きを増し、周囲の空気を震わせる。
7. 険しい道のり
ネメシスの表情が歪み、黒炎がさらに膨れ上がる。
ネメシス:「チィィ.......余計な真似を......! ならば完全に裁き尽くしてやる!!」
虚無の闇と蒼氷光が激突し、
大地そのものが砕け落ちていく――。
次回――
イルの心に触れたカイル。
だが、それは逆にネメシスの怒りを呼び、戦いはさらなる激化へ……。




