第108話『水と火の頂点』
吹き荒れる雷嵐。
1.昔話
大地を焼く閃光の中、カイルは膝をついたまま、空を睨みつけていた。
カイル:「......まだ.....終わらねぇ.......!」
アイス:「主!!これ以上は、身体がもたない!」
ファイア:「いいから、立てカイル!!まだ終わっちゃいねぇだろ!!」
カイルは拳を握り、ゆっくりと立ち上がる。
焦げついた地面に血が滴る。
カイル:「....覚えてるか?.....師匠と修行してた時....」
ファイア:「ああ、覚えてるぜ。あの山ん中の滝の前だ。」
アイス:「懐かしい......あの時、主はいつも倒れても笑ってた.......」
カイル:「あの時の俺は、まだ“限界”を知らなかった。......今も同じだ。」
彼の周囲の温度が一瞬で反転する。
氷と炎――真逆のエネルギーが共鳴を始めた。
エリナ:「.......これは......っ!」
カイル:「行くぞ、アイス! ファイア!限界へ!!!!!!」
アイス&ファイア:「あああああああああああっ!!!」
天を割るような轟音。
光が弾け、氷と炎の二つの精霊が同時に進化を遂げた。
水の精王・アイスの身体は透明に輝き、背に結晶の翼が生える。
火の精王・ファイアは全身を紅蓮のオーラで包み、眼が燃え上がる。
2.進化
カイル:「これが.....お前たちの......新たな姿だ.......!」
アイス:「名を......アイス・ノヴァ。」
ファイア:「ファイア・ノヴァだッ!!」
カイル:「......頼む、二人とも!!」
ノヴァの二体が光の円環を描くようにカイルを包み込む。
炎と氷が交わり、無数の魔法陣が重なる。
カイルの腕に、青と紅の紋章が浮かび上がった。
その紋章が、天に伸びる。
カイル:「――水DNA+火DNA、覚醒ッ!!!」
周囲の空気が爆ぜる。
氷と炎が融合し、まるで神々が降臨したかのような光が広がる。
カイル:「これが.....俺たちの“修行”の答えだ!!!」
エリナ:「.....その力......!!」
雷鳴が走る。
3.雷の進化
エリナの中から、聞こえる。
スピリット・サンダーの声。
サンダー:「ほう、この力......進化か.......ならば......!!」
エリナ:「やるよ!!サンダー!!」
エリナも負けじと、雷を収束させる。
エリナ:「スピリット・サンダー.......進化!!――サンダー・ノヴァ!!」
雷霆の光が三方向に広がり、
氷・炎・雷が空でぶつかり合った瞬間――
世界が白に染まった。
4.遠くの仲間
その爆発音は、遠く離れた仲間たちにも届くほどだった。
イル:「な、なに!?今の!?」
エミリア:「このDNA反応......カイル......!?」
──光が収まった時、
そこに立っていたのは、蒼と紅の神紋を纏ったカイル。
カイル:「......まだ終わってねぇぞ、エリナ。」
エリナ:「ふふ......いい顔するじゃない。」
互いに構え、同時に地を蹴る。
拳と拳、雷と炎、氷と閃光――
全てが衝突し、夜空が砕けた。
原点の二つの精霊が、神へと至る。
それは“進化”ではなく、“誓い”の形。
かつての師弟が、いま互いの限界を超えてゆく――。
次回――
師弟の修行戦は、神話の領域へ。




