第107話『修行という名の戦い』
静寂。
空気が張りつめる。
1.修行の始まり
黒羽を広げるエリナの前に、カイルが一歩、前へ出た。
リール:「カイル....本当に行くの?」
カイル:「ああ。.....これは、戦いじゃない。修行だ。」
リール:「修行......?」
カイル:「俺が“カイル”として、そして“弟子”として、あの人に追いつくための。」
リールは小さく頷き、拳を握った。
リール:「......私の分まで...お願いね。」
カイルはリールの頭に手を添える。
リール:「え?」
カイルは笑う。
カイル:「任せとけ。」
リールは少し照れながら言う。
リール:「任せた。」
そう言うと、カイルは掌を開き、力を解いた。
宇宙融合、錬金融合――
彼を包んでいた数多の輝きが、ひとつ、またひとつと消えていく。
ブラフマー:「な、何をしている!?融合を解いたら防御が.........!」
カイル:「ブラフマー.......変われ。」
ブラフマー:「けど.......!!!」
カイル:「大丈夫.......任せてくれ.......」
一瞬の沈黙。
ブラフマーは目を閉じ、微かに笑った。
ブラフマー:「.........わかった。好きにやれ、我が主。」
カイルの背中で、宇宙の光が完全に消える。
2.懐かしの仲間
代わりに――二つの輝きが現れた。
氷の青と、炎の紅。
そこに浮かび上がるのは、懐かしきスピリットたちの姿。
アイス:「久しぶりに.....主と一緒に戦える!」
ファイア:「おうよ!燃えるぜ、久々になッ!!」
カイル:「ああ.....行くぞ、お前ら!」
エリナは微笑む。
エリナ:「........そう、それがあなたの原点。いい顔ね、カイル。」
カイル:「行くぞ、エリナ!!」
氷と炎が同時に爆ぜ、爆風が地を裂く。
カイル:「精霊融合モード スピリット・アイス+スピリット・ファイア!!」
氷壁が瞬時に立ち、炎柱が天を貫く。
カイル:「究極・水+火DNA......異系統二重詠唱.....蒼龍烈火!!」
エリナはその中を舞うように躱し、雷撃を放つ。
エリナ:「傲慢+雷DNA.......異系統二重詠唱......強欲の一閃!!」
蒼白い雷光が走り、地を焦がす。
カイル:「究極・水DNA......氷壁・極!!」
カイルは、氷で受け止め、
カイル:「究極・火DNA......豪炎!!」
炎で相殺した。
カイル:「ッチィ....まだだ.....まだ追いつけねぇ......!」
アイス:「主、温度限界超えてる!」
ファイア:「限界なんざ、超えりゃいいんだよ!!!」
雷と炎と氷が、ひとつの渦となってぶつかり合う。
黒雷と紅炎、蒼氷が空を裂く。
エリナ:「......やるじゃない。けど、それでも――」
雷霆が迸り、エリナの背から六枚の黒翼が一斉に開く。
エリナ:「私は.....まだ、“師匠”だッ!!」
雷撃がカイルを包み、地面が砕けた。
カイル:「電撃の.......檻!?」
エリナ:「究極・雷DNA.....雷牢・爆....閉じろ!!」
衝撃で森が吹き飛び、空が裂ける。
リール:「カイル!!!!!!!」
爆煙の中。
カイルは、片膝をつきながら笑っていた。
口元から血を流しながらも、まっすぐに前を見ていた。
カイル:「.....やっぱ、強ぇな......師匠。」
エリナ:「.....その言葉、嬉しいけど――まだ足りないわね。」
彼女の瞳に映るのは、昔と同じ景色。
小さな修行場で、少年と少女が笑い合っていた頃の記憶。
エリナ:「カイル........次で、終わりにしよう。」
カイル:「ああ。次で――超える。」
雷光と炎と氷が再びぶつかり合い、 空が真っ二つに裂けた。
かつて弟子だった者と、かつて師匠だった者。
二人の間にあるのは、“過去”ではなく、“誓い”だった。
次回――
原点の力が進化する。
神格を超えた“ノヴァ”へ――!




