第10話『仲間か師匠か』
1. 朝の訓練場
エリナ:「昨日の続きよ。今日からは“精神と体の限界”を試すわ」
カイル:「精神と体の……限界?」
アイス:「主、気をつけてね……」
ファイア:「おいエリナとか言ったな.....主はまだ子供だぞ」
エリナ:「だからこそよ。小さいうちから鍛えなきゃ、本物にはなれない」
彼女の目は真剣そのもの。
カイルはその覚悟に圧されつつも、胸の奥が熱くなる。
2. 走り込みと集中
エリナの課した最初の試練は「走り込み」。
ただ走るだけじゃない。「氷と火を交互に纏ってバランスを保ちながら走る」訓練。
カイル:「う、うわっ! 熱っつ……! 冷たっ!!」
アイス:「切り替えが早すぎるよ!」
ファイア:「もっと思い切って燃やせ!」
カイル:「だーー!!うるせぇ!!」
途中でカイルの口調が変わる。
カイル:「……呼吸を整えろ。炎は肺、氷は手足……流れを分けて動け」
エリナ:「……今の……やっぱり変だわ.......」
3. 訓練の小休止
倒れ込むカイル。
エリナが水筒を差し出す。
エリナ:「飲みなさい」
カイル:「ありがと……」
少し沈黙。
エリナ:「あなた、時々“大人の声”になるのよね」
カイル:「……え?」
エリナ:「この前もそう。今日もそう。あなた……何者なの?」
カイルは答えに詰まる。
カイル:《転生者です.....とか流石に言えねぇー》
カイル:「……ただの……アストレイア家の息子だよ」
エリナ:「……ふーん」
4. 精神の試練
エリナは次に「精神集中」の訓練を命じる。
カイルは目を閉じ、アイスとファイアの声を同時に聞き取る。
アイス:「落ち着いて……」
ファイア:「燃やせ、もっと熱く!」
カイル:「くっ……反発する……同時には……!」
額に汗を浮かべながらも必死に制御。
カイル:「……両方の声を……重ねろ……支配するんじゃない……共鳴させるんだ……!」
その言葉に、精霊たちも驚く。
アイス:「主……今の……」
ファイア:「……悪くねぇ」
5. エリナの評価
訓練が終わり、夕暮れ。
エリナは少し笑ってカイルを見る。
エリナ:「正直、あなたはただの“子供”だと思ってた。でも……違うわね」
カイル:「へっ……褒めてくれた?」
エリナ:「勘違いしないで。まだまだ弱い。でも、伸びる。誰よりも早く」
エリナの目に、少し仲間としての光が宿る。
6. 夜、ひとり
カイルはベッドの上で天井を見つめながら呟く。
カイル:「……仲間か、師匠か……俺にとって、あの人はどっちなんだろうな」
アイス:「両方だと思うな....」
ファイア:「ハッ、気を抜くな。まだまだ修行は続くぞ」
カイル:「わかってるよ……」
次回――
ついにカイル、アイスとファイアと共に!!




