妖精を要請する! ~リクエスタ・フェアリィ~
主人公の男女の指定はありません。
妖精の見た目も、文章で触れていない部分はご自由にご想像下さい。
後書きで、作者のオススメ妖精例を載せます。
あなたは異世界転移した勇者だ。
妖精の長老に会うため、あなたは森の奥にある集落へ来た。
手のひらサイズの妖精が、あなたに近寄って来る。美しい青と黒と半透明の羽で浮かぶ妖精は、見た目が美少女だった。
「旅のお方、どうされました?」
妖精はあなたに声を掛けてくれたが、あなたは右手で静止し、その場にいた妖精全員を見定めた。
一番かわいいと思った妖精に、長老のところまで案内してほしいと頼んだ。
「こちらです、旅のお方」
彼女を含めた妖精は全員、肌着のような服を着ている。あなたはその姿に感動しつつ、森の中を進んだ。
訪問を労ってくれた長老もまた、美少女に見えた。とても長老には思えず、小さなお姉さんといった印象だ。小さな、というのは背丈ではなく、本当に小さい、という意味である。なお、胸部はそれなりに大きい。
彼女は、妖精の集落が置かれている緊迫した状況やら、あなたへの依頼やらを、長々と説明していた。だが、あなたは案内を終えて戻って行っしまった妖精のことしか頭になかった。
あなたは長老に、先ほど案内してくれた妖精が大変気に入ったので、ぜひ旅に同行させてほしいと頼んだ。
「分かりました。世界の危機を救うためです。彼女も連れて行って下さい」
言質を取った。あなたは目をつけた妖精とともに、集落を旅立つ。
「勇者様。どうして私をお選びになられたのですか?」
空飛ぶ小さな彼女にあなたは聞かれ、あの集落の中で一番かわいいと思ったからだよと答えた。
「ありがとうございます、勇者様。大変光栄に思います」
嬉しそうに羽ばたいている彼女に、理由はもう一つあると、あなたは話した。
妖精達が着用している服は、元いた世界にある肌着にそっくりだ。肌の露出が多い姿の女性を見られるのは、服を脱いだ着替えの時ぐらいしかない。見られた女性は恥ずかしく思うが、見る側はその様子を見て興奮することもある。今、肌着姿でも恥ずかしがることなく飛び回る美少女をずっと見られているのは目の保養になるし、至福のひとときを得られる。――と、元の世界の常識も交えてあなたが熱を込めて語ったら、彼女は次第に恥ずかしくなっていったようだ。
「あんまり見ないで下さい……っ!」
あなたの視線を気にするようになった。あなたは失敗したと思った。
「みんなこの姿でしたから、村では全然気にならなかったのですよぉ……」
彼女は両手で服を隠そうとしても、無駄な努力だった。幼女が着用するような肌着の上下では、十五才ぐらいの容姿の彼女には、不釣り合いに思える。
そんな彼女のために、あなたは立ち寄った服屋で小さな服を特注してもらった。お金の力で手に入れた特注品は、袖がなく、下は膨らみのあるミニスカートだ。愛らしさを重視した一方、動きやすさにも配慮してある。
「こんなに素敵なお洋服をプレゼントして頂き、ありがとうございます! これでもう恥ずかしくないですし、今まで以上に勇者様のサポートも出来る気がします!」
喜ぶ彼女の姿を見ると、あなたも幸せになる。ただ、元々着ていた肌着が、服の隙間や下からチラチラと見えてしまっていることについては、触れなかった。
凶悪な魔王を倒せとか、暴走する世界樹をどうにかしてくれとか、色々な厄介ごとをあなたは頼まれた。
けれども、この子がいれば、きっと頑張れる。
(終わり)
おまけの妖精例です。
髪は茶色。後ろでゆったりとまとめた、一本の三つ編み。
瞳は緑。大きい。
上は、太めの肩紐レースつきで胸部はしっかりと覆うハーフトップ。
お腹より下は、一分丈の短めドロワーズ。
色はどちらも白で、上部のほうにつく小さなリボンも白。
最後までお読み頂き、ありがとうございます。