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二〇〇文字小説『夜桜奇譚』

作者: 泰然寺 寂

 四月も半ばになると寒さも緩んで、その空気が夜桜を包み、辺り月影なくして代わりに赤き障子紙の提灯が洞から下がり、風吹けば朦朧たる光を淫靡に揺らす。枝振りてんでばらばらにして手入れされている様子こそないが、毎年四月ともなれば狂い咲き、苦悶充ち満ちる捻れ枝からはらはら舞う様は此岸の物と思えぬ。故にこの桜死期を悟ると云うが諸兄は首肯されざるや否や。提灯の明かりがふっと消え、目の内に墨画の桜が写り、消えた。

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― 新着の感想 ―
[一言] はじめまして。お気に入り登録ありがとうございます。なろうに来て二日目。都会に惑う田舎人のように右往左往しながらの最初の感想文です。 文語体が美しいです。『五分』でも思ったのですが、宍八木さん…
[一言] はじめまして^^ 純和風印象派というか、雰囲気がありますよね。 美しい言葉や韻律が想像を掻き立てます。 視点は存在しても対象者は不在のままという、実験的な試みをしてるのかなという感想も持ち…
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