第3話
きゃははは
くすくす・・
小さな女の子と女の人の笑い声が聞こえる。
真っ白な世界・・・
部分部分で途切れてくる映像・・
だから・・・これは夢なんだということを理解することができた
この夢は私が小さい頃の夢だ・・・。
夢の中の私は何才だったかはもう忘れてしまったけど、このときは久しぶりに母と父と私の三人でおでかけだったから私はすごく喜んでいたことを覚えている。本当に嬉しかった・・・。
いつも仕事で忙しい二人が私のためにわざわざ休みをとって遊園地に連れて行ってくれたのだから・・。
今になってなんでこんな夢を見るなんて・・・
忘れていたのに・・・。
今日の私はどうかしてる・・・。
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世界の中心とも呼ばれる首都アウスレーグ。
その国の王宮の中のある部屋に二人の男がいた。
その部屋の壁側一面には本棚があり、隙間無く本が埋まっている。また、部屋の中心にはアールヌーボー風のデザインが入った高級そうな応接用の椅子が4脚とテーブルが1つあり、部屋の窓の近くにもう一つ山積みになった書類がのっているテーブルがあるが、二人の男のうち一人の男が座っている。
おそらく山積みになった書類処理を行っているのだろう・・・。
それ以外には、部屋の片隅の花瓶に飾られた花だけで必要なもの以外は取り除かれた至ってシンプルな部屋だ。
そんな部屋で机に向かっていた一人の男が急作業をやめ、もう一人の男の方を向いた。
「・・・・・・・・・・。」
お互いに無言で向き合っていた二人だが・・・・・
「なんです??早く作業を再開してください。」
作業をしていなかった男が、作業をしていた男に向かって言う・・・
おそらく、限界がきていたのだろう・・
その瞬間____
「だあああああああああああ!!!!!!!!!!!!やってられるかああああああ!!!」
大きく叫び、持っていたペンを机にたたきつけて男は近くにあった窓から飛びだした。
その動きは、まさに脱兎のごとく俊敏で、ただただその男の雄たけびに驚くしかなく動けなかったとか・・。
「なっ!!!」
「もう無理だ!!!ちょっと外に出てくる!!!すまん!!!」
よっぽどつらかったのだろうか・・・・男はあっという間に部屋からでていった。
もう一人の男は捕まえようと走り出すが、相手のほうが行動が早かった為に間に合わずただ唖然としてその男が出て行くのを見ているしかなかった・・・・。
「帰ってきたら・・・覚えてなさい・・・。さっき以上の仕事を押し付けてあげますから・・・。」
なにやら、怖いことを言っているが・・逃げた男はその言葉を知るよしもない・・・。
久々の投稿です。