第2話
美羽は海斗に熱湯を出しっぱなしということを聞いていたので慌てて、荷物を部屋に置いてお風呂の準備をし始めた。
「ったく、海斗のやつぅ~~。何もお湯をだしっぱにしておく必要ないじゃん~~!!」
文句をいいながらお風呂の準備をして、部屋を出た美羽はお風呂に向かった。
お風呂は熱湯が出ていたせいで湯気で充満しており、真っ白になっていて前が見えなかった。
そして、まず制服を脱ぐ前にお湯の湯加減を見るために手をお風呂に入れてみると・・・
「あっっつ!!!!」
あまりの熱さに美羽はすぐに手を引っ込める。
手を見てみると少し入れただけなのに手が赤くなっていた。
「あの馬海斗ぉおおおおお!!!!なんでこんなにあっついのよぉお!!」
思っていた以上にお湯が熱かったため、美羽は水を入れ始める。
お湯から水に変えた瞬間勢いよく水がではじめて、何回かに分けて少しずつ手をお風呂に入れながらお湯をかき混ぜていた。
そして、だんだん湯加減がちょうどよくなってきて5回目に手をお湯につけて混ぜたときであった。
お風呂の中に不思議な模様が浮かび上がってきて、美羽の目の前に来るように動いて光り始めたのである。
「えぇ!?何これ!?私何かした!!??家のお風呂最新の技術か何かを導入したの!??そんなんじゃないわよね!!??」
驚いた美羽は意味不明なありえないことを言っている。おそらく、今目の前で起こっていることに対しての可能性を少しでも広げたいのだろう。
「ちょっ!ちょっ!!」
不思議な模様はだんだん美羽に近づき、それと同時に光も増して行く。
そして、最終的に光で包み込みこんだ。
「ちょっとまってぇぇえええ!!!!!!ぎゃぁあああ!!!!!!!」
っという・・・・乙女らしからぬ叫び声をあげた美羽を・・・・。
______________________________
その頃、リビングでは・・。
ソファーに座って参考書を読んでいる海斗とテレビを見ている叔母の恵奈がいた。
そんなリビングに美羽の・・・・
「ぎゃぁあああああああああああああああ!!!!」
という叫び声が聞こえてきた・・・・・・。
「・・・・・ねぇ~海ちゃん・・・。美羽ちゃんがお風呂で叫んでるんだけど・・・。」
美羽の叔母である恵奈がお茶を飲みながら暢気に海に言った。
「美羽のことだから、さっき俺が熱湯入れてたことに対して怒ってんじゃねぇの??」
さすが美羽の弟。原因は違えども、怒っていた事は確かだったのでさすが長年暮らしてきた姉弟である。あたらず遠からずである・・・。
「それもそうねぇ~~~。最近、美羽ちゃんたらすぐ怒るんだもん。・・・カルシウム足りないのかしら??」
「そうなんじゃね??今日の晩御飯に小魚でも入れといてやったら??」
「うふふ。そうね!!早速準備してくるわ!!」
そういって叔母の恵奈は小魚を探しに行った。リビングに残された海斗はそれまでよんでいた参考書に目を戻し、読み始めた。
なんとも、暢気な家族である。
こんな家族が美羽がいなくなったことに気づくのは海斗たちの父が帰ってきてからの1時間後・・・・・。
ものすごくかわいそうな美羽であったのだ。
美羽ちゃんドンマイなのです。