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本数
真冬の怪異第12話「足」と同じ話しです。
一部修正してます。
「掘り炬燵は良いわね。
普通の炬燵だと多人数で温まろうとすると入り切らずに何処かしら寒いけど、掘り炬燵だとちょっと窮屈なのを我慢すれば皆が温まられるから」
「そうだな、家も掘り炬燵にするか?」
長患いで入院していた父の退院祝いとして私達家族は山奥の温泉旅館に来ている。
私の隣にいる小学生の息子が掘り炬燵の中を覗き込み顔を上げて掘り炬燵を囲む私達家族の人数を数え、また掘り炬燵の中を覗き込む。
「あんた何してるの? 布団を捲ると寒いから止めなさい」
「そうなんだけどー」
「どうしたの?」
「足が多いんだよ」
「え?」
「炬燵に入っているの、爺ちゃん婆ちゃんパパとママに僕と小母ちゃんの6人だから足が12本の筈なのに、14本あるんだよ」
「数え間違いじゃ無いの?」
「じゃ一緒に数えてよ」
炬燵布団を捲り皆で足の数を数える。
「「1本、2本、3本、…………11本、12本、13ほ! え??」」