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足跡
一部修正してます。
旅館の暖かい部屋の中から窓の外を眺めている。
会社の同僚等とスキーに来たのだが天候が悪化してスキー場が閉鎖されたので、今此処で待機中。
同僚は皆、旅館の露天風呂が混浴だと知り入りに行った。
スキー場のある山の上は猛吹雪が続いているが、麓にある旅館の周りは時偶小降りになり雪に覆われた景色が現れる。
一面の銀世界を見ていると、新雪の上を素足で歩いてみたいという思いが頭を過る。
子供の頃なら躊躇する事無く外に飛び出て行ったのだろうけど、大人になった今はそんな恥ずかしい事は出来ないな。
そんな他愛のない事を思いながら窓越しに見える雪景色を楽しんでいる僕の前を、透明な人間のような何かが横切って行く。
新雪の上に足跡を残しながら。




