中居
真冬の怪異第2話「首」と同じ話しです。
一部修正してます。
「熱燗4本追加お願いします」
部屋の内線電話で酒の追加を頼む。
男手1つで育てた息子達、最後まで独身生活を謳歌していた次男も去年の夏やっと片付いた。
息子達は皆家の近くに住居を構えているが、正月はそれぞれの伴侶の実家に里帰りしている。
家で1人寂しく正月を過ごすのも何なので、温泉に浸かって年を越そうと山奥の鄙びた旅館に泊まり、今1人手酌で飲んでいる。
「お待たせ致しました」
部屋の戸が開けられ中居さんが中に入って来た。
中居さんは掘り炬燵の上に徳利4本を置き空になった徳利やビール瓶をお盆に乗せてから、徳利の1つを手にして私の持つ杯に熱い酒を注いてくれる。
「ありがとう。
貴女も一杯如何ですか?」
「宜しいのですか?」
「どうぞ、1人手酌で飲むより貴女のような別嬪さんと飲む方が美味しいですからね」
「頂きます。
ハァー美味しい」
「さ、もう一杯どうぞ」
「ありがとうございます」
この中居さん酒好きらしく、炬燵に足を入れ座り込み次々と杯を開ける。
2人で飲んだので直ぐ持って来て貰った酒が無くなった。
内線電話に手を伸ばそうとしたら中居さんが私が「言って来ます」と言いぃぃーヒィィー。
中居の首がグングン部屋の外に伸びていくぅー。