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魔王と魔王 (仮)  作者: くろりす
プロローグ はじまりの少年編
2/19

呪い誕生

元素に意志が在る。

この発見は人々に大きな可能性を感じさせた。

しかし、事はそううまくはいかなかった。



数年経っても、少年の他に元素を扱える者は現れなかった。

一度私の意志を汲み取ってくれた者ならあるいは…と思ったが、どうやらそういう訳にもいかないみたいだ。


元素が起こす現象を誰もが活用できれば、人類の生活は大きく変わる。


水に居住を縛られることもなくなる、暗闇に怯える必要も、高所に慄くことも、熱さや寒さ、飢えにも対応できるだろう。


なんとしても、安定して、誰にでも扱えるようにしたいな。

願いを聞いてくれる条件が分かればいいが、手あたり次第に試していくしかないか。

差し当たって 簡単な記号と行動を結び付けて…


果ての見えない実験の日々、、、

それはとても充実したものであった。

だがある日異変が起きる。



「あなたが 憎い」


突然母親から浴びせられた言葉に、思考が停止する。

母親が改まって話があると言い出したので聞いてみると、根拠のない嫌悪感が突然生まれたという。


「そしてこれは私だけじゃないみたいなの」

「村人たちがあなたを殺そうとしている。話をしているのを聞いたの」


「いや、ちょっと待って。話についていけないよ」


「私にも何が起きてるか分からないわ」

「でも、分かってしまう。村人たちの気持ちが、、、」

「あなたを排除することが、正しいことだと感じてしまう」

「あなたを愛したままなのに…」


冗談で、いや、冗談でもこんなことを言う人間ではない。

とても信じられないが、それが真実なのだろう。


「このままココに居れば、いつ村人に殺されるか分からないわ」

「村を離れて、もう、、戻れないと思った方が良いかも、、、」


「うん、、分かった。」


促されるまま、私は村を出る支度をする。


「これを持って行って」


「ありがとう、、これは?」


「お金とか、ちょっとした食べ物とか…」


「そうか、ありがとう」


「ごめんなさい。そのくらいの事しか出来なくて」


「ううん。十分だよ。」


母も辛いのだろう。嫌悪感というのがどれ程のものか、私には知ることも出来ないが、母のこんな暗い表情は見たことが無い。


いたたまれず、私は別れを急ぐ。


これが、最後の別れになるとも知らずに、、、



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