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魔王と魔王 (仮)  作者: くろりす
第一章 受け継いだ者編
18/19

落胆

あの後、俺は兵士たちを殺そうと思い攻撃した。彼らにかける慈悲は無い。思うところもない。

しかし、殺したい程憎んでるはずなのに、殺そうとする瞬間どうしても手が止まってしまう。なぜ殺せないのかは、自分でも分からなかった。ただ、少女たち親子の仇すら殺せない自分に嫌気がした。


その後、俺は兵隊を一人残らず倒し、壊滅させた。ふと横に目をやると、俺を見て震える村人が…。村人は近寄ってくると、色んな言い訳を言っていた。俺に殺されると思って必死だったのだろう。だがどうでも良かった、色んなことがどうでもいい、うんざりだ。何も聞きたくない。

震えるほどの怒りを向けるべきところ向けられない苛立ちは、感情を極端に冷めさせることで落ち着けた。


***


俺は当てもなく、足が向くままに旅をしていた。

人間が憎い。しかし、人に対する愛情も消えていない…。相反する二つの感情が自分の心を不安定にさせ、自分が何をしたいのか?何のために生きているのか?分からなくなっていた。

そんな時、騒がしい声が聞こえてくる。

「さっさと出ていけ!」

「わかった。わかったって!!」

フードを被った男性がなにやら追い立てられている。

関わる気は無かったが、男と目が合ってしまった。

「ねぇねぇ君。ちょっと手伝ってくれないか?」

「すみません。お断りします。」

「まだ何も言ってないじゃないか!!いや実はね。この街で流行り病が蔓延していて―」

フードの男は聞いてもいないのに話し出してしまった。

「原因を探ってたんだけど…色々探ってたら、僕が元凶だと疑われてね」

「俺には関係ない話だな」

「そんな事は無いさ。君は魔法使いだろ?」

!!?

「魔法使いになるような奴はね。みんなお人好しなんだよ」

そんなテキトーな事、ある訳ないだろ!それに俺はなりたくてなった訳じゃない!

「という訳なんだけど、手伝ってくれるかい?」

「なんで魔法使いだと分かったんだ?」

「んー…。カン、かな?」

カン?そんな訳…。何か隠してそうだな…。

「あんたがどんな人間かも分からない。実際、ホントにあんたが街に病を広めてるかもしれないだろ」

「だったらその目で見てきなよ。もし僕がこの街の人間に何か危害を加えるつもりなら、この街に対して、まだ何かすべきなのかどうかを…」


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