密室の告白
『第3回「下野紘・巽悠衣子の小説家になろうラジオ」大賞』投稿作品です。
指定キーワードは『密室』、R-15、ガールズラブは念のためです。
お読み頂けると幸いです。
放課後、部活も終わって先生に頼まれた片付けを幼馴染のスバルくんと一緒に終わらせる。
私だけだともっと時間が掛かってたと思うけど、流石はスバルくん、私なんかよりずっと力持ちで頼りになるからつい甘えちゃう。
体育用具室の中、入口の方で待ってくれてるスバルくんの方を振り返ると、なんでかドアの鍵をスバルくんが掛けていた。
「これでおーわりっ!ごめんね、スバルくん。手伝ってくれてありがとうね?あれ?なんで鍵掛けちゃうの?出られなくなっちゃうよ?ねぇ、笑顔が怖いんだけど、スバルくん。どうしたの?」
「ごめん、リリ。どうしても二人きりで話がしたくてね。話が終わったら直ぐに鍵を開けるから、ちょっとだけ付き合ってくれないか?アキラのことなんだけど……告白されたんだって?しかも、リリ……オッケーしたって本当か?」
話ってなんだろうって思っていたら、アキラちゃんの名前が出てきてびくっとしてしまう。
告白されたこと、しかもいいよって言ったことまでばれてるなんて、どうして?
「アキラが良い子なのは僕も知ってるよ、幼馴染だからね。告白されたら頷いてしまうのも分かる。でも、僕だってずっとリリが好きだったこと、知ってたよね?なのにどうしてアキラを選んだんだい、リリ」
「ご、ごめんね?スバルくんのこと、大好きだよ?大切な幼馴染だもん。でもね、私、スバルくんのこと、一つだけどうしても許せないところがあるの……分かるよね?」
許せないところがある、そう言うと視線を落としてしまうスバルくんに私も視線を落としてしまう。
「……これのことだね……でも、僕だって好きで大きくなった訳じゃないんだよ!?寧ろ大きくて嫌なぐらいなんだからね!」
「持てる者のエゴだよ、それは!スバルくんみたいにおっきい子にはちっちゃい子の気持ちなんて分からないんだ!言ってて悲しくなってきちゃったよ、ちきしょぅめぇっ!」
「痛ぁっ!!」
思わず目の前にあるメロンをひっぱたいたら、大きく弾んで揺れた。
それを見た私は、叩かれた痛みに思わず屈みこむスバルくんの横を走り抜け、鍵を開けて外に駆け出す。
「ぷるんぷるんさせて、スバルくんなんて嫌いだぁっ!」
ああ、今、凄くアキラちゃんに会いたい。走ってもジャンプしても全然揺れない、私とお揃いの彼女ならきっと私の胸の痛みを分かってくれる筈だから。
その後、アキラちゃんにこの話をしたら首根っこ掴まれてスバルくんに謝罪させられた、解せぬ。
(各方面に土下座中)